ファンサうちわ【S.K】

番外編〇３ ページ18

またナンパかぁ…

手越が前に女装して渋谷に行ったらしいけど、その時も「ナンパされまくってほんと大変！女の子まじ大変！！」って言ってたし。

女の人ってほんと大変なんだなぁ。



「そんなこと言わずに！」

「あ、ちなみに俺モデルやってんだよね」

「………」



声の数から察するに3、4人の男から声かけられている感じだ。大丈夫なんだろうか。




…まあ？だからと言って俺が何かしてあげられる訳ではありませんが？


ハイパー人見知りな上に、一応アイドルですから。
と、面倒事は避けようと思いつつもなんとなく気になって仕方がない。



「お姉さん彼氏いるの〜？」

「......います、今から彼氏に会いに行きますから」

「まあ関係ないっしょ、いても」

「オネーサンくらい可愛かったら俺の彼女になって欲しいかな〜？彼氏って言ってもその辺にいる大した面のやつじゃないでしょ？」

「ハ？」



酔いも回っているようで益々好き放題に煽る男たち。
その中で、自称モデルだという男がそう言った途端、彼女の声色が確実に変わった。




「私の彼氏は誰よりもかっこよくて可愛くて髪色コロコロ変えちゃうけど髪の毛サラサラで！お肌がツルツルで！男らしいくせに急にどうした？っていうくらいボケかましてきて！歌もすっっっごく上手くて！オシャレで！素敵な人なの！少なくともアンタたちと一緒にしないでくれる！？」




彼女がそう言い返した一瞬、その場がシンと静まり返った。

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