〇 ページ12
『……』
「……」
多分、うちわを見られてから1分程しか経っていないであろうこの沈黙の時間。
だが今の私には既に１時間は経過しているように感じてしまう。
増田さんはたった七文字しか書かれていないうちわの文字をゆっくり時間をかけて読んだ後、改めて私の方を見て口を開いた。
『これ、どうしてほしかったわけ？』
「えっ！？」
驚きのあまり思わず俯いていた顔を上げた。
だって、絶対に引かれたと思った。
だから彼の口からはきっと「気持ち悪」とか「痛い」とかそんな罵声の言葉が飛び出すと思っていたのに…
どうしてほしかったか、だって？
予想外の質問で返事に困ったが、色々考えてやっとの思いで言葉を絞り出した。
「なんていうか、気を引きたくて…周りの子達と全く違うようなうちわにしたいなと思って考えたのが…これ、です……」
言ってしまった。今の私にはこれが精一杯だ。
さあ、なんて返す？アイドル増田貴久よ。
ファンの本音を知ってやはり引いたか？いいんだよ、私だけじゃないもん！
大体このうちわは過去に既に使用例が
『いいよ』
あってですね……え？
「は？」
『は、じゃなくて！いいよ、今してあげる』
？？？？？
どういうことですか
？？？？？
頭にハテナマークをたくさん浮かべ、口をポカンと開けて増田さんを見つめていると、彼はグッと近づいてきて私の顎に手を添えた。
『自分で要求してきたんじゃん。今更拒否するとかナシだから』
「いや、その…！！」
『てか腰抜けてるし(笑)おいで。』
「わっ」
急にふわっと身体が浮いたかと思うと、気づいた時には彼にお姫様抱っこをされている状態。
もうなにが起こってるのかわからない。
ずっと大好きだった増田さんにこの数十分間だけで出会ってうちわ見られて顎クイされてお姫様抱っこされて……
『おい、まっすー』
うしろからいつもの声が聞こえて…………？
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葵 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません...。 物語一気に読んじゃいました。 彼女さんとお付き合いすることになったきっかけの所読んでいてめちゃくちゃ笑ってしまいました(笑) 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2018年7月24日 3時) (
レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - キャラメルらてさん» ありがとうございます！完全に作者の自己満足ですが、これからもよろしくお願いします<(_ _*)> (2017年11月12日 20時) (レス) id: 59c787674e (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルらて - すごい面白いです！読みながらにまにましております（笑） (2017年11月12日 14時) (レス) id: 97c1c171bd (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - シゲのミホさん» コメントありがとうございます！リアルな感じ目指して頑張ります＼(^o^)／ (2017年10月13日 1時) (レス) id: 59c787674e (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - みさみささん» はじめまして！ありがとうございます！頑張ります！ (2017年10月13日 1時) (レス) id: 59c787674e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルカ | 作成日時：2017年9月16日 21時
