チョコみたいに甘い君 1 ページ1
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きっと、運命の人じゃなかったんだと思う。
てかそう思いたい。
運命の人じゃないから神様が引き離してるんだって思ってたい。
じゃなきゃ立ち直れないから
幼馴染で小さい頃からずっと一緒にいた。
湧、私、颯ちゃん
いつも3人一緒。でも、1学年下の颯ちゃんは私と湧からしたら弟のような存在だった。
でも気づけば男になった颯ちゃんに惹かれていって
私が彼のことを1番知ってるし、1番好き!この気持ちは誰にも負けない。って数年間ずっと思い続けた。
少女漫画なら幼馴染は結ばれて幸せになる。
少女漫画だけじゃない。ドラマだって映画だってそう。
最後はハッピーエンド。
でもそんことが現実に起こるわけじゃない。
バレンタインに振られることだってある。
何週間も前から、バレンタインは何作ろうかな。
どんなの作ったら喜んでくれるかな
なんてスマホでいろんなお菓子を調べた私が今思い返すとバカバカしく思えてくる。
別に付き合ってもないのになんでそんなうきうきしてたんだろ。
結局作って、いざ当日渡すってなって告白したら
「ごめんAちゃんとは付き合えない」って
同い年の女の子と付き合うことになったって
あ、そういう感じね。
颯ちゃんに振られたあと気まずすぎてその場から逃げた。
ていうかチョコすらもらって貰えなかった。
昨日夜颯ちゃんのことを考えながらリボンの位置とか変えたり結び方色々したりしたせいか少しだけリボンにその跡が付いてる。
これも頑張りだよね。
でもこのチョコどうしよっかな....
湧にあげよっかな...
でもな...さすがに同じ人から2個もチョコ要らないよね。
体育館の裏、少し小さな階段の上に座ってぼーっとチョコを眺める。
こうなったら捨てるのが一番いい。
颯ちゃんへの気持ちと一緒にチョコをゴミ箱に捨ててやろう。
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作者名:あざらし | 作成日時:2021年2月14日 23時