慰めの言葉１８ ページ23
私とエリス嬢は手を繋いで、デスクに肘をついた首領と相対していた。
エリス嬢はまだ目が紅く、素足は血の気が感じられぬ程白い。
暫くの沈黙の後、首領が口を開いた。
「エリスちゃん。
世話人は必ずや私が見つけてみせるよ。」
「…ええ。
疾く見つけ出さなかったら、許さないんだから。」
私の手を握る強さが増す。
横目でエリス嬢を見ると、口元が微かに震えていた。
「特殊部隊を派遣させるよ。
エリスちゃんの悲しみが一刻も疾く癒えるように、人員も多くしないとね。」
首領が部隊派遣の令状を書き上げられた。
徐に立ち上がり、エリス嬢へ近づいて来られる。
二人は、お互いの思惑を探るかのように見つめ合った。
やがて首領の手がエリス嬢の頬を撫でる。
その眼には哀しみに紛れ、何か別の感情が有るように思えた。
「さ、部屋にお戻り。
A、送ってあげなさい。」
「はい。
行きましょう、エリス様。」
首領室を出て、いざエリス嬢のお部屋へ向かおうとすると繋いだままの手が引っ張られた。
「エリス様…？
お部屋は其方ではございませんよ。」
「そんな事、判り切ってるわ。
部屋には戻らない。
Aもついてらっしゃい。」
エリス嬢は後ろを一切振り返らず、ただひたすら前を向いて歩かれている。
暫く引かれるがままになっていると、とある部屋の前で足を止めた。
「入るわよ。」
中からの応答を待たず、エリス嬢は扉を開く。
「お早うございます、エリス様。
……Aもいたのか。」
「失礼します。」
エリス嬢に連れてこられたのは、中原様のお部屋だった。
私達を交互に見つめ、口を開いた。
「二人に言い渡す。
リンタロウの特殊部隊より疾く、世話人を見つけ出しなさい。
…此れは極秘命令よ。」
普段の可愛らしい声と違い、威圧さえ感じとれる重い声だった。
＿＿＿
長らく更新できず、申し訳ございません。
考査がやっと終了したので、また更新を再開させていただきます。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月25日 1時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
巫子(プロフ) - とても面白いお話ですね！『やめないか。』が『やらないか。』に見えました！←どうでもいい (2018年1月3日 20時) (レス) id: 343e14107c (このIDを非表示/違反報告)
アメヲト - おおおっ！戻って下さり本当にうれしいです♪ (2017年2月14日 21時) (レス) id: dfeb66c68a (このIDを非表示/違反報告)
唯 - お久しぶりです！！ (2017年2月14日 17時) (レス) id: 80ca6023d8 (このIDを非表示/違反報告)
カヤ猫 - 面白かったです！今後森さんとどうなるかが気になります。更新頑張ってください。 (2017年2月12日 19時) (レス) id: 30c508f23e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚澤 | 作成日時：2017年1月12日 23時
