検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:48,523 hit

☆★☆★ ページ47

そういって、ちょっと遠くを見るような顔をして考えるA

「さすがにね、これからもそうやって「好き」って言うだけでやっていてもダメなのかな、って最近思うようになってきた。」

「どういうこと?」

「そろそろ進学どうするのか、とか考えないといけないしね。演奏家としてやっていくことを目標とするのであれば、今まで以上にコンクールに出たりして技を磨いていかないといけないし。でも、コンクールって当然演奏に対して順位がつく訳だけど、人に自分のピアノを通して、想いをどれだけ伝えられるかとか、心に残る演奏というものに順位が付く、ということに対して自分自身の中で葛藤があったりして。」

「葛藤?」

「うん、うまくは言えないんだけど・・・そのために弾く、ということに矛盾みたいなものを感じてたりして。もちろん、コンクールを否定する気はさらさらなくて、まぁ単に、そんな場から逃げようとしているだけなんだろうけど・・・実際、本当に演奏家としてやっていけるのはほんの一握りの選ばれた人間だけだし。」

「・・・スケートとピアノじゃ違うのかも知れないけど、自分が楽しんで、それを誰かに伝える心、ってとこは自分の中で大切にしないとダメなんだろうね。それがどういう形であれ。
ピアノのことは俺よくわかんないけど、Aがピアノ弾いている時の顔、ホントに幸せそうだもん。初めて見たときこんな幸せそうな顔する子、見たことないな、って思ったし。実際、あの時弾いてたエオリアンハープ、今でも俺の中にしっかり残ってる。あまりにも印象的だったんであの後すぐCD買ったんだけど、全然違う曲みたいでビックリした。人の心に残る演奏、って、そういうもんなのかな。」


「。。。ありがとう。そんな風に言ってもらえると、やっぱりもっともっと頑張らないと、って思う。」

「Aがピアノが好きなのと、俺がスケート好きなのが一緒なんだから、俺ももっと頑張らなきゃな。」




二人で顔を見合わせて、ふふっと笑いあう。




夏休みは、もうすぐ終わろうとしていた。

作者より→←☆★☆★



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
設定タグ:羽生結弦 , フィギュアスケート   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆー - いろいろな曲を知れると思うとワクワクしますヾ(o´∀`o)ノ (2015年5月24日 0時) (レス) id: e6615b165f (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - ゆーさん» ゆーさん。エオリアンハープ。あの透明感が私は大好きです。夢主にはあと数曲弾いていただく予定です♪ (2015年5月23日 0時) (レス) id: b5b2743f5c (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 「さゆ」って友達のニックネームと一緒だ~なんて興味本位で読み始めたのに今はクラッシックに興味があります(笑)まさに運命!?なんて思ってます(〃ω〃) (2015年5月22日 23時) (レス) id: e6615b165f (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - りまさん» りません。はじめまして!私、りまさんの作品が大好きで、いつも読ませていただいてます。すごく丁寧に書かれていていいな〜、って。私もがんばりますね♪ (2015年5月21日 22時) (レス) id: b5b2743f5c (このIDを非表示/違反報告)
りま(プロフ) - はじめまして!りまと申します。わたしもショパン大好きです♪続きを楽しみにしています。更新がんばってください! (2015年5月21日 6時) (レス) id: e12e9a56b0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さゆ | 作成日時:2015年5月18日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。