エオリアンハープ

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慌てて廊下の人だかりをかき分けて、掲示板に貼られた紙の名簿の上から二番目を見る。

2位 2組 羽生結弦 683点

と、同時に否が応でも目に入ってきた1位のヤツの点数に俺は唖然となった。

1位 4組 西崎A 697点

！！
700点に欠けること3点ってことは、ほぼ全教科満点ってことかよ！！


あぁ、なんなんだこの悔しさは！！
何を取りこぼしたのかはわかんねーけど、取りこぼしがあることはわかっていた。
だけど、1位のコイツはほとんど取りこぼさなかったってことだよな？！

ちっきしょー、やっぱ高校って甘くねぇんだな。。。
ってか、この1位のヤツってどんなヤツなんだ？！






妙にいらいらした気持ちで教室に戻り、どっかりと自分のイスに座った。

「よ、天才少年さんよ。ちゃんと自分の目で確認してきた？」
「うっせーよ！」
「おーやおや、いやにご機嫌斜めやん。何？お前まさか2位が悔しいん？」
「なっ？！ そ、そんなんじゃねーよ！」
「お前ほんまににわかりやすいやっちゃなぁ。おもいっきり「悔しいです」って顔に書いてあるわ、アハハハハ！ でも、相手も相当だよな。」
「は？相手って、お前 1位のヤツ知ってるの？」
「俺の情報網をなめてもろたら困るで」
俊之は、いたずらっぽく俺の目の前に指を立てた。

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