想い ページ32
7月に入り、セミの声が青く茂った木々の間をこだまする。
まぶしい太陽が、木の葉の間からキラキラ光る。
昨日で学期末のテストが終わった。なんやかんやあったが、とにかく頑張った。いろんな意味で意地もあったが、やはり、授業も本格化してきて、暗記だけではどうしようもない内容も多く、かなり厳しかった。
そして、それから数日後。
テストも終わったが、朝、リンクから直行するとまだ誰も来ていない時間なので、教室で一人勉強していると、だんだん廊下が騒がしくなってきた。
朝来たときには気づかなかったが、あの紙が掲示板に貼られていたのだろう。
見たいような、見たくないような、なんとも複雑な気分でいると、背後から嫌な雰囲気を感じた。
「結弦 おはよーさん。」
「おぅ。」
「見たんか?」
「見てねーよ。」
「聞きたい?」
「どっちでもいい。てか、見に行きゃすぐにわかる。」
軽いため息のあと、俊之がボソッと告げる。
「。。。。やっぱ、相手が悪かったな。」
「。。。。。」
「しかし、おめーら二人で何してくれとんねん状態ではあるな。いや、マジですげーわ。」
「どういう意味だ?」
「1位の西崎と、2位のお前は5点差。だけど、2位のお前と3位のヤツには20点以上の開きがある。」
「そんなの関係ねーよ。俺が負けたって事実は変わんねーんだから・・・」
ちっきしょー。あれだけ頑張ったのに、やっぱ勝てねぇのか。
。。。集中、出来てなかったのか?
「やっかいなヤツに惚れてしもたみたいやな。。。まぁ頑張れや」
俊之は、そう言って俺の肩をたたいた後、教室に入ってきた他の友達のところに行ってしまった。
後で改めて掲示板を見に行くと、俊之の言う通りだった。
だが、1位の彼女も今回は672点と満点からはほど遠い。
きっと、満足してないんだろうな。
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ゆー - いろいろな曲を知れると思うとワクワクしますヾ(o´∀`o)ノ (2015年5月24日 0時) (レス) id: e6615b165f (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - ゆーさん» ゆーさん。エオリアンハープ。あの透明感が私は大好きです。夢主にはあと数曲弾いていただく予定です♪ (2015年5月23日 0時) (レス) id: b5b2743f5c (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 「さゆ」って友達のニックネームと一緒だ~なんて興味本位で読み始めたのに今はクラッシックに興味があります(笑)まさに運命!?なんて思ってます(〃ω〃) (2015年5月22日 23時) (レス) id: e6615b165f (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - りまさん» りません。はじめまして!私、りまさんの作品が大好きで、いつも読ませていただいてます。すごく丁寧に書かれていていいな〜、って。私もがんばりますね♪ (2015年5月21日 22時) (レス) id: b5b2743f5c (このIDを非表示/違反報告)
りま(プロフ) - はじめまして!りまと申します。わたしもショパン大好きです♪続きを楽しみにしています。更新がんばってください! (2015年5月21日 6時) (レス) id: e12e9a56b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さゆ | 作成日時:2015年5月18日 23時