風薫る ページ12
「よっ、天才少年、おっはよーさん。」
「おい、俊之。その天才少年ってのやめろよ。」
「んじゃ、スケート馬鹿がええか?」
「うるせーよ!」
朝から廊下で俊之とバカみたいなやり取りをしていると、ふと後ろのほうから女子の声がした。
「A!おっはよ〜」
「あ、おはよ。」
その名前に思わず振り返ると、昨日音楽室で見かけた顔が目に飛び込んできた。
え??
「ね、昨日の夜の特番みた?」
「あ、翔くん、かっこよかったよね!」
「うん、素敵だったわ〜。」
そういいながら、女子2人は1-4の教室に入っていった。
もしかして、あの子が西崎A?
声が聞こえてから、教室にその姿が消えるまでなんとなくぼぉっと見ていた俺の背後から、俊之のひっくり返った声が聞こえてくる。
「ゆーづくんっ!昨日の特番見た?」
「あん?」
「翔君、すてきやったわぁ」
「。。。お前、何やってんの??顔の前で手組んで、目ぱちぱちさせて・・・」
「いやいや、なんかおめーがボーっと見とれてるからさ。」
「は?誰が?? 何に???」
「あれが学年1位の才媛、西崎A嬢やん。お前、もしかして惚れた?」
「あのなぁ、女子の方をみる イコール 惚れた、って、どんだけ短絡的なんだよ。」
「はん!惚れた?って聞かれてムキになるなんて、お前小学生か?!」
「うるさい!あっち行ってろ!」
「いややわぁ、ゆづはん。うちら、同じ教室いくんとちゃいますのん?うちの席、ゆづはんの後ろどすえ。そない邪険にせんといてぇな。」
ったく、ころころ声色変えやがって、お前は漫才師か・・・
もう一度、彼女が入っていった教室に目をやる。
あの子に俺は負けたのか。。。
たかが1学期の校内の中間テスト、と、言い聞かせながらも、なんとなく納得がいっていない俺。
でも、昨日のピアノの音は気持ちよかったな。。。
64人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆー - いろいろな曲を知れると思うとワクワクしますヾ(o´∀`o)ノ (2015年5月24日 0時) (レス) id: e6615b165f (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - ゆーさん» ゆーさん。エオリアンハープ。あの透明感が私は大好きです。夢主にはあと数曲弾いていただく予定です♪ (2015年5月23日 0時) (レス) id: b5b2743f5c (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 「さゆ」って友達のニックネームと一緒だ~なんて興味本位で読み始めたのに今はクラッシックに興味があります(笑)まさに運命!?なんて思ってます(〃ω〃) (2015年5月22日 23時) (レス) id: e6615b165f (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - りまさん» りません。はじめまして!私、りまさんの作品が大好きで、いつも読ませていただいてます。すごく丁寧に書かれていていいな〜、って。私もがんばりますね♪ (2015年5月21日 22時) (レス) id: b5b2743f5c (このIDを非表示/違反報告)
りま(プロフ) - はじめまして!りまと申します。わたしもショパン大好きです♪続きを楽しみにしています。更新がんばってください! (2015年5月21日 6時) (レス) id: e12e9a56b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さゆ | 作成日時:2015年5月18日 23時