Beloved girl (ページ39)

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episode38　樹Side ページ39

樹Side

美彩「いっちゃん…」

二人きりになった病室で
美彩が俺の名前を呼ぶ。

美彩「いつき！」

樹「………。俺、守れなかった。」

美彩「え？」

樹「美彩のこと…まもれなかった(泣)」

美彩「いっちゃ…」

気がつけばみんながいないのをいいことに
無意識に、乱暴に
美彩のことを抱きしめていた。

美彩「いっちゃん！？」

樹「俺、違和感は感じてたんだ。
　晴海さんのことどこかで
　見たことあるって感じてたし…
　美彩の様子もおかしかったし…(泣)」

美彩「………。」

樹「でも、それなのに
　何もできない自分の無力さが嫌になって…
　俺じゃ美彩のこと守れないって………」

美彩「そんなこと…」

樹「あるよ。」

美彩「いつき…」

樹「俺、美彩がTHERAMPAGEに入った
　とき、久しぶりに再開したとき、
　ほんとに嬉しかった。」

美彩「うん。私もだよ。」

樹「でも、美彩が入ってきてから
　迷惑かけてばっかりだし………。
　それに加えて
　今回もなんにもできなかったし…
　俺、いてもいなくても………
　変わんないんじゃないかって(泣)」

美彩「そんなことない！」

樹「！？」

美彩「私、樹がいなかったら
　できなかったことたくさんある。
　樹がいたからできたこと
　たくさんあるんだよ？」

樹「美彩…」

美彩「だから…だから…………
　いてもいなくても変わらない
　なんて言わないで！」

樹「美彩………ありがとう。」

美彩「いっちゃんも
　いつも助けてくれてありがと！」

今回のことがあってつくづく思う。

俺にとって美彩の存在は
やっぱり大きいなってことを…