Beloved girl

episode20　樹Side　 ページ21

樹Side




今日、新しいマネージャーさんが挨拶に来た。


でも、
どっかで見たことある顔なんだよな…





そんなことを思っていたら…


美彩「ゴ、ゴメン。
　 私ちょっと出てくる。」


そう言って美彩は
部屋を飛び出していった。




俺は、なぜ体が勝手に動いて気がつけば
美彩のことを追いかけていた。




樹「美彩！待てって」


美彩「っ。ﾀｯﾀｯﾀｯ」



美彩はそれでも走り続けて事務所の
出入り口になってやっと止まってくれた。



樹「美彩…どうした？」


美彩「………。」


樹「…。黙ってたらわかんない。」


美彩「………。ｺﾜｲ、ﾉ(小声)」


樹「？」



声が小さすぎて
よく聞き取れなかった。




すると…


美彩「うっﾋｯｸ。(泣)」


泣き出した美彩。


樹「美彩！？
　 ゆっくりでいい。今ダメなら今度でいい。
　 だから落ち着いて？
　 話すのはいつでもいいから」


美彩「ゴ、メンねっ(泣)」


樹「謝らなくていいよ。
　 落ち着いて。大丈夫だから。」





俺は美彩を抱きながら言った。





いつかのあの日を思い出す。



あの日もこうして








美彩を抱きしめていたっけな。







美彩………

俺は美彩の支えになれているの？






すぐに溜め込んでしまう美彩には
誰かが寄り添う必要がある。





俺は、


俺はその"誰か"になりたいんだよ…








　

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