どなたですか？ (ページ43)

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彦四郎】「えぇっ！？」
まさか持ち帰ってしまったものがあるとは思わず驚く
「わざとじゃないよっ！」と弁明する先輩

彦四郎】「でも、やっぱり夢じゃなかったんですね
あ、先輩が使っていたノートをお借りしました
勝手に借りてすみません、ありがとうございました」
あの時借りたノートのお礼を伝えると何故か慌てている先輩
もしかして借りたらまずかっただろうか

彦四郎】「すみません、勝手に借りるなんてやっぱりダメでしたよね」

数馬】「あぁいや！違う違う！
借りてもらって全然よかったんだけど…その、見た？」
見た、とはノートの中身のことだろうか

彦四郎】「はい、分かりやすく書かれていたのでとても助かりました」

数馬】「…あれ、それだけ？」
どういうことだろう
使用方法やメモ以外は特になかったと思うのだが
あぁでも…

彦四郎】「確かノートが一枚分抜けていました
もしかしてそこに何か書かれてたんですか？」
そう聞くとほんのり顔を赤らめていた

数馬】「そっ、そうなんだね！
気にしないで！大したことじゃないから！」
先輩の声が裏返っている
本当に何が書かれていたんだろう、気になる

数馬】「ほ、ほら！お腹すいたでしょ
はやく食堂に行ってご飯食べよう、うんそうしよう！」
そう言って先輩は足早に部屋を出て行ってしまった

彦四郎】「えっ！ま、待ってくださーい！」
慌てて後を追う
顔を見られたくないのかこちらを振り向かず
でも歩幅を合わせてくれている先輩と一緒に食堂へ向かう
途中、同じく食堂へ向かっていたであろう七松小平太先輩に吹き飛ばされていたが

「何か当たったか？まぁいっか！いけいけどんどーん！」
相変わらず嵐のような人だ
不運だ、と呟く先輩に手を貸し起こす
そんな光景を見てあらためて忍術学園に戻ったのだと実感した