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〜今福彦四郎視点〜
誰かの呼ぶ声で目が覚める
あまり見慣れない、けれど見たことのある景色
どうやらここは医務室のようだ
辺りを見回すと同室の友達・一平がこちらを覗き込んでいた
一平】「もう、やっと起きた
まったく…学級委員長なんだからもっとしっかりっ!?うわぁ!」
小言を言う一平に飛びつく
帰って来た、忍術学園に帰って来れた
カナメさんの言っていたことを疑っていたわけではない
でも実際にちゃんと戻って来れたことに、その事実に安堵する
一平】「いてて…ちょっともう、どうしたの?」
心配そうな顔でこちらを見る友達に謝る
彦四郎】「ごめん一平、その、ただいま…」
一平】「?おかえり、ってどっか行ってたの?」
不思議そうな表情でこちらを見る一平に首を傾げる
おかしい…だって僕は数日居なかったはずなのだから
今の状況が分からず混乱しているとガラッと襖が開いた
「あ、起きたんだね
怪我はなかったみたいだけど大丈夫?」
声が聞こえて誰が入って来たのか把握する
部屋に入ってきたのは、三年は組の三反田数馬先輩
彼なら、三反田先輩なら聞けば分かるはず
彦四郎】「あのっ、少しお聞きしたいことがあって…よろしいでしょうか?」
数馬】「?いいけど、どうしたの?」
キョトンとした顔でこちらを見る先輩に今までの出来事を話す
一平は「話が長くなりそうだから先に食堂に行ってる」と部屋を出ていった
彦四郎】「〜ってことがあって、僕忍術学園に居なかったはずなのに
一平は全然気にしてなかったというか…
今どうなっているのか分からなくて」
数馬】「そっか、君も未来に…カナメさんのところに行っていたんだね」
何かを思い出すかのように微笑む三反田先輩
数馬】「僕も帰って来た時、色々確認してみたんだけど
どうやら向こうに行っていた数日は、こっちでは一瞬の事だったみたいでね
確認の際に何人かにこの事を話してみたんだけど
頭を打って夢でも見てたんじゃないかって言われて…
でも夢なんかじゃない、証拠もあるから」
彦四郎】「…そうなんですね
その、証拠って?」
そう聞くと頬をかく先輩、どうしたんだろうと首を傾げる
数馬】「実は向こうの服を持ってきちゃったみたいで」
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作者名:楓の姉 | 作成日時:2024年2月19日 14時