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あれから2日後
仕事で家を空ける私と、お留守番してくれている彦四郎君
たまに電話でお話したり、特に大きな出来事もなく時間がたつ
数馬君の時と同じように彼もまた徐々に体の一部が透けていった
『今日がお別れかもしれないね』
いつものように朝食を済ませた後、勉強をしている彼に話しかける
彦四郎】「今日、ですか
確かに透ける頻度が多くなりましたもんね」
今も足元が透けている
歩行とかは問題ないようなので心配はないが、やはり仕組みが分からない
呪力も感じない、不思議
『ねぇ、彦四郎君も私と一緒に写真撮ってくれないかな?』
彦四郎】「もちろん!」
元気よく頷いてくれる彼に私の膝の上に座ってもらう
数日の間だが、結構なついてくれた気がする
『じゃあ、この黒い丸の部分に視線合わせてね
いくよ?笑ってー』
パシャっと音が鳴ったので2人でスマホを覗く
うん、いい笑顔で撮れてる、ブレてもない
彦四郎】「綺麗に撮れましたね」
『うん、ありがとうね』
膝の上の彼を抱きしめる
こんな仕事をしているから、彼らが本当に癒しだった
彦四郎】「カナメさん、苦しいですよう」
少し力を籠めすぎてしまったのか、もぞもぞしている彼にごめんねと謝って手を放す
彦四郎】「今日もまた午後からお仕事ですか?」
『うん、そうだよ
それまでのんびり過ごそっか』
まったりゆったり
勉強して、読書をして、お菓子を食べて、お話して、ちょっと遊んだりなんかもして…
一日は長いようで短い
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作者名:楓の姉 | 作成日時:2024年2月19日 14時