どなたですか？ (ページ39)

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『うん、その調子』
あの後手裏剣は【投げる】ではなく【打つ】ということを教えてもらった
最初はあまり乗り気ではなかった彦四郎君だったが、上達していくのが嬉しいのか
「今の打ち方、どうでしたか？」と聞いてくる
手裏剣が一つしかないため、打っては取りに行っての繰り返しで少々時間はかかっていたが
打った手裏剣は、徐々に最初よりも的の真ん中に近づいていた
家の中も傷つけず、まっすぐ的に向かってとんでいく手裏剣

『今のは少しだけ手を離すのが早かったかな
疲れたよね、ちょっと休憩しよっか
でも上達したね、すごいよ彦四郎君』

彦四郎】「分かりました
僕なんてまだまだです、それよりカナメさんの方がすごいです！
教え方も的確で先生みたいでした
もしかして手裏剣を扱ったことがあるんですか？」
キラキラした瞳に見つめられる

『私も別に大したことないよ
手裏剣は扱ったことはないけど、臨機応変にその場を対応できるよう
色々な武器を使えるようにはしているから
扱い方は何となく分かるんだ』
倒れた呪術師から武器を拝借することもあるから、ある程度は使えるようにしている

彦四郎】「扱ったことがないのに見ただけで分かるなんてすごいです！」

『ふふ、そんなに褒めても何もないよ
っと、そろそろ仕事の時間かな
今日は手裏剣はお終いにしようか』
玄関が傷がつかないようにと立て掛けたものをどかす、彦四郎君も手伝ってくれた

『あぁそうそう、君が読めそうな本を何冊か選んでみたんだ
テーブルの上に置いておいたから、もし興味があったら読んでみて』
数冊本棚から選んだ本を置いておいた

彦四郎】「何から何までありがとうございます！」
チラッとテーブルの方を向いてお礼を言う彼に『どういたしまして』と返す

『よし、それじゃあ今日もお留守番よろしくね？
何かあったら電話してね』
支度を終えて、またいつものように仕事に向かうため玄関を開ける

彦四郎】「はい！いってらっしゃい！」
元気よく見送ってくれる彼の頭を撫でていってきます、と外に出た