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ページ36

『おっと、大丈夫?』
いきなりだったがしっかりと受け止める

『ただいま、彦四郎君』
彦四郎君の身長に合わせるよう屈む

彦四郎】「お帰りなさい、カナメさん
…飛びついてごめんなさい」

『気にしないで
怖かったね、一緒に居れなくてごめんね』
表情の暗い彼の頭を撫でる
透けた所見せてくれる?と聞くと彼は右手を出した
確かに透けて右手越しに床が見える

彦四郎】「その、カナメさんが教えてくれたから分かってたんです
心配することじゃないって分かってたんですけど、怖くって…」
そう言って落ち込む彼を抱き上げる
えっ!?と驚く彼を抱っこしたままリビングに向かう

ソファに彼を下ろし、ちょっと待っててねと言って
自分が持っている荷物を下ろし素早く手を洗い戻る

『よし、おいで?』
彦四郎君の前まで行き、膝をついて手を広げる
私に答えるようにゆっくりと近づき抱き着いてくる彼を抱きしめる

『ちゃんと怖いって自分の気持ち教えてくれてありがとう
前にも言ったけど、それは君がちゃんと元の場所に帰れるって証拠
だから安心してね』

彦四郎】「!はいっ」
ギュッと抱きしめてくれる彦四郎君

『でもそっか、もうちょっとで帰っちゃうんだね』
寂しくなっちゃうね、なんて呟く

彦四郎】「…その、僕も、寂しいです」

『!ふふ、そうなの?一緒だね』
もう一度2人でギューッと抱きしめあって、お互いに笑った
帰るまでの間、楽しい思い出作れたらいいね





もう大丈夫ですと言われたので、ソファに座りなおして悟君からもらったスイーツを2人で見てみる
箱の中にはドーナツが数個入っていた
彼に先に選んでもらい、私は余ったものを食べる
ドーナツの穴を覗く姿がとても可愛らしかった
昼食後の彼は、よほどドーナツが美味しかったのかペロリとたいらげていた
若いっていいね

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作者名:楓の姉 | 作成日時:2024年2月19日 14時

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