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枕の下に入れたスマホのアラームが鳴って目が覚める
隣にはまだ寝ている彦四郎君の姿がある
あくびをしながら起き上がると、隣の彼も起こしてしまったらしい
『ごめん、起こしちゃったね
おはよう彦四郎君』
彦四郎】「お、はようございます、カナメさん
っあの!夜中はすみませんでした!」
そう言ってベットから降り正座をし、今にも土下座しそうな勢いの彼を慌てて止める
『いいのいいの、気にしないで
それよりよく眠れた?』
彦四郎】「は、はい!」
なら良かった、と彼を立たせる
夜は何かと不安になりやすいから気にすることはないよ
『じゃあ支度しよっか』
今日は朝から高専に行かなければならない
彦四郎君はこれに着替えてね、と新しい服を渡す
一緒の部屋で着替えるわけにもいかないので、私はリビングで着替える
テキパキ支度を終え、朝食と彼の昼食を作り出す
彦四郎】「すみません、お待たせしました」
寝室から出てきた彼に顔を洗うように言い、出来た料理をテーブルに並べていく
洗い終わって戻ってきた彦四郎君と一緒に椅子に座り手を合わせる
いただきます、と声を合わせ食べ始めながら今日のことを伝える
『今日は私が朝から仕事(半強制)があるから今からお留守番してもらうことになるんだけど
何か聞いておくこととかは無い?』
彦四郎】「はい、大丈夫です」
『分かった、昼食は冷蔵庫に入れているから
温めるときは昨日説明した電子レンジを使ってね』
火傷しないように、と付け加えておく
彦四郎】「はい、分分かりました
ご飯、ありがとうございます」
『もう、不安なことはない?』
彦四郎】「!はい、本当にありがとうございます」
まだ全ての不安は拭えてはいないだろうけど、元気になってくれたようで良かった
山羽さんに家に迎えに来てもらうよう連絡を入れ、刀などの準備をしておく
何度も本当に大丈夫かと彦四郎君に聞くと
不満げな表情で「子ども扱いしすぎです」と言われてしまった
『それじゃあ、行ってくるね』
荷物を持ち玄関を開ける、もうそろそろ山羽さんも来る頃だろう
彦四郎】「はい、行ってらっしゃい」
手を振りながら見送ってくれる彼に申し訳ないと思いつつ家を出た
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作者名:楓の姉 | 作成日時:2024年2月19日 14時