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泣きそうな彦四郎君を寝ているベットの隣に招く
私が起きたことに気づいていなかった彼は目を見開いた
「カナメさん…」と言う彼をもう一度呼ぶ
ゆっくりとこちらに来る彦四郎君を隣に寝かせ頭を撫でる
『どうしたの?眠れなくなっちゃったかな』
彼の頭を撫でていると涙がこぼれていく
彦四郎】「起こしっちゃってすみません、」
謝る彼の涙をすくう
『大丈夫、気にしないで
そうだよね、やっぱり不安だよね』
彦四郎】「…僕、本当にちゃんと帰れるのかなって
もしかしたら、もう二度と友達と会えないんじゃ、ないかって、」
ポロポロとこぼれていく涙
泣き出してしまった彼の背中をさする
『うん、うん、そうだね
ごめんね、何もできなくて
でもきっと帰れる、彦四郎君は忍術学園にきっと帰れるよ』
彼が数馬君を見ていないため確証はない、慰めの言葉
彦四郎】「ぅ、なんで、そんなこと、分かるんですか…」
『そうだなぁ、此処に数馬君が来ていたでしょ?
もし数馬君がまだ帰ってなかったら、いなくなっていたなら
君のいた学園で大きな騒ぎになっていると思うの』
でもそんなことなかったんでしょ?と顔を覗き込み笑う
彦四郎】「は、い…確かに、そうです」
だんだん落ち着いていく彦四郎君
よしよし、ともう一度頭を撫でる
『騒ぎになっていないってことは
きちんと忍術学園に戻れたってことだと思う
だからきっと彦四郎君も帰れるよ』
だから今日はもうお休み?と優しく抱き寄せる
だんだん彼の瞼が下がっていく
「ありがとう、ございます、」と声が聞こえた後、やがて寝息が聞こえてきた
『何もできなくてごめんね
今はゆっくりおやすみ』
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作者名:楓の姉 | 作成日時:2024年2月19日 14時