どなたですか？ (ページ25)

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あの後彦四郎君には着替えてもらった
しかし小さい彼に私の服は大きすぎた
ズボンはずり落ちるため、上の服をワンピースのように着てもらっている
冷暖房完備の室内のため風邪はひかないはず
彼も特に問題ないとのことなのでこのままで過ごしてもらう

『…でここがこう、分かったかな？』
説明していると時間があっという間に過ぎちゃうな
最後の部分を説明し終え、彦四郎君に問題ないか尋ねる

彦四郎】「はい、なんとか
三反田先輩のメモもあるので大丈夫です」
帰ったら感謝を伝えなくちゃ、と言っている彼が微笑ましい

『今日は私の仕事がお休みだから
緊急の連絡がない限りずっと家にいるんだけど
明日以降は家を空けることになると思う
もし不安なことがあればすぐに電話してくれて構わないからね？』

彦四郎】「分かりました」

『あぁそれと、もしかしたら急に体の一部が透けることがあるかもしれないけど
怖がらず不安にならないでほしい、元の世界に帰る前兆のようなものだろうから』

彦四郎】「体が透ける…そんなことが起きるんですね
事前に教えてくれてありがとうございます」
彦四郎君は自分の体をあちこち見ている
まだどこも透けてはいないようだ

『ここまでで何か質問はあるかな？』

彦四郎】「はい」
ノートとペンを片手に手を挙げる彦四郎君
授業みたい

彦四郎】「僕はお留守番中何をしていればいいですか？」
えぇ？ゆっくりしておいてほしいけど
まぁずっと待っておくというのも退屈か
数馬君の時は料理しといてくれたり、家事も少しだけだがしてもらっていた
それでも暇だろうと読めそうな小説を数冊渡していたが
彦四郎君の場合、彼の身長ではキッチンに届きにくいし、危ないからダメだ
料理は私がちゃんと作る
小説もフリガナがついているものがあるのでそれを渡すつもりだ
ただ、数馬君よりも小さい彼ができることは此処ではほとんどないかも
さて、どうしようか…

『彦四郎君は何がしたい？』
逆に聞いてみた、申し訳ないが思いつかなかったのだ

彦四郎】「え？えっと…」
うーん、と頭を悩ます彼を待つ

彦四郎】「あ、あのっカナメさんが良かったらなんですが
勉強をしておいてもいいでしょうか？」

『え？』