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三反田数馬視点
朝日で目を開ける
見慣れた天井、見慣れた布団が目に入り、戻ってきたんだなと確信する
僕は何故か布団に寝転んでいた
隣を見ると同室の友達が寝ている
申し訳ないけどゆさゆさと友達をゆすり起こす
「んん、んぁーあ
あ、数馬起きてる…おはよぅ」
ふぁーあ、と欠伸をする藤内
あれ、僕数日居なかったはずなのにすごく普通の対応
「お、おはよう藤内
あの、藤内ごめん、迷惑かけたよね…」
藤内】「んー?あぁ落とし穴に落ちてたこと?
別にいつもの事なんだから気にするなよ」
いやまぁそれもなんだけど
「ほら僕、数日帰ってこなかったでしょ?だから…」
藤内】「は?いや数馬はずっと此処にいたはずだよ?
夜中落とし穴に落ちてたのを、たまたまトイレに行った俺が見つけて
怪我もなかったし気を失ってるだけみたいだから大丈夫かなって
トイレを済まして部屋まで運んだんだ」
重かった、なんて言いながらもぞもぞと起きて着替えながら説明してくれる藤内
そんなはずはない、いや、あれは夢だった?
あの数日間も、カナメさんも全部夢?
藤内】「なんか変だぞ数馬、やっぱ頭とか打ってた?」
「いや、痛くないから打ってないと思う…ありがとう藤内、
あれ?」
布団をかたずけようと畳もうとした
めくれた布団から見覚えのある服を見つける
これは…
「カナメさんに借りてた服だ…」
藤内】「なんだそれ?珍しい形の服だな」
こちらをひょいっと覗き込む藤内
あぁやっぱり、夢じゃなかった
こちらに持ち帰ってしまった服を広げ微笑む
「藤内聞いて!実はね…」
あの数日間の、こちらでは一瞬だったかもしれない出来事を話す
初めこそ半信半疑だった藤内も実際にある服を見て考え込む
藤内】「数馬がそんな噓を言うはずもないし、
よし!俺も未来に行った時のための予習をしなければ!」
そう言って部屋を出ていってしまった
どう予習するつもりなんだろう
僕はカナメさんから借りた服を綺麗に畳み、押し入れに大事に直して急いで着替える
夢のようで夢じゃない、不思議な出来事を思い出しながら友達を追う
「藤内待ってー!」
戻ってきた僕の一日が始まる
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作者名:楓の姉 | 作成日時:2024年2月19日 14時