どなたですか？ (ページ15)

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あの後、少し家事も手伝ってほしいという条件で納得してくれた
それにしても透けた手か…
もうすぐ帰ってしまうのだろうね、元の世界に
そういう予感、あと数日の関係だと思う
絆されすぎるのは良くないのだろうか、もう手遅れかな？
『明日も忙しいから今夜はもう寝ようか』と今日は就寝する
布団はそのまま、ベットの隣に敷いている
お互いにおやすみと言い合えるのはあと何回なんだろうね

過去から未来に来た子がいないか、過去への行き方など
色々と調べてはみたものの特に情報は無く日が過ぎていく
あれから4日がたち、私はだいたい仕事で数時間ほど家を空けて数馬君はお留守番
2人でいるときはたわいもない話をして、数馬君の作ったご飯を食べてと過ごしていた
最初の頃とは違い彼はすぐに今の環境に慣れていた
まだ12歳なのにすごい適応能力、不運なこともあったが…

変わったことといえば数馬君が日に日に透けていくようになった事
最初は左手、次に両手、足と順々に透けていっていた
影が薄いうえに透けるなんて、と嘆いていた数馬君を慰めつつ
あと1日もないかもしれないなと考える

『ねぇ数馬君、一緒に写真撮らない？』
仕事から帰り晩御飯を済ませた後、ふと考えていたことを聞いてみる

数馬】「写真、ですか？」
首をかしげる彼に写真とは、と説明しようとすると彼は写真を知っていた
忍術学園の学園長がよく自身のブロマイドを配っているんだとか
君本当に戦国時代の子だよね？

数馬】「でもどうして突然写真なんですか？」

『君との思い出を残しておこうと思って』
いいかな？ともう一度聞いてみる
彼は「そういうことなら」と快く頷いてくれた

数馬】「このスマホというもので撮るんですね」

『そうそう、じゃあ撮るよー笑って？』

パシャッという機械音が鳴り写真が撮れた
写真を確認すると笑顔の私と数馬君、彼は少しブレているが
まぁこれもこれでいいかと思い数馬君にも確認してもらおうと
声をかけようとすると電話が鳴った