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『はい、あーん』
ショートケーキをフォークですくい、数馬君の口元までもっていく
数馬くんは驚いて口を閉じてしまう

数馬】「えっと?」

『知らないならどっちも食べちゃえばいいよ』
だからほら、あーんともう一度彼の口元にケーキを運ぶ
こちらが引かないと分かったのか、おとなしく口を開ける数馬君
ほら、可愛い子にはちょっとした意地悪したくならない?
パクリと食べて「美味しい、です」と言ってくれる数馬君の頬と耳は赤い

『んふふ、良かったぁ
それじゃあ次はチョコの方ね』

数馬】「さすがにもう自分で食べますからっ!」
怒られてしまった
結局数馬君はショートケーキの方を選び、私はチョコケーキを選択
2人で楽しくケーキを食べながら談笑をする



数馬】「カナメさんって、ちゃんと僕を見てくれますね」
ふと数馬君がそうこぼす

『?見て話さなきゃ失礼でしょ?』

数馬】「いやその、何というか…僕って影が薄いんです」
自分で言うのもなんですが、と言う数馬君

『え、そうなの?私はそうは思わないかな
だってほら、数馬君って髪すごく綺麗で目に入りやすいし
まぁ髪が地味だったとしても
ちゃんと君のこと見つけられるよ』
仕事柄、人の気配には敏感な方だからというのもあるかもしれないが
君はちゃんと此処にいるんだから

『影が薄いとかあまり気にしない方がいいよ
あぁでも忍者になりたいなら薄い方がいいのかな?』
結局どっちがいいんだろうね、なんて笑いかける

数馬】「ふふ、確かに」

『でもまぁそうだなぁ、君が大切に思う人に認識してもらえたら
それでいいんじゃないかな?』

数馬】「!はい、そうですね」
さっきよりも明るい表情になった彼を見て微笑む



ケーキも食べ終わり、2人でのんびりとお互いのことを話す

『そういえば数馬君、まだお風呂に入ってないよね?』

数馬】「そういえば確かにそうですね」

『よし、入ろっか』

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作者名:楓の姉 | 作成日時:2024年2月19日 14時

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