えっ！？メタルスライムがツイステッドワンダーランドに召喚されたって！？ぱーとつー！！

59話 ページ9

結論から言おう、普通に負けた



いやまあ、うん、マジフト強いって言われてる寮だからこうなる事は予想してた



エーデュースとグリムは勝つことしか考えていなかった様だが、僕達はそうじゃない



いかにしてこの状況から逃げようかということだけを考えていた



それはユウもケイト先輩も思っていたようで、ちょくちょく耳打ちで「何とか逃げられないかな？」と相談していた



いやあ、寮生だけならどうにかなったかもしれないけど寮長まで出てきちゃったのがなぁ…



僕の足の速さを生かして全員逃がす事はできる。できるが、確実にレオナ先輩とラギー先輩に目をつけられるだろう



それだけは絶対嫌だ。自分から僕はメタルスライムですよ〜なんていうアピールをしているようなものだ



「ほら立てよ草食動物ども。もうワンゲームといこうぜ」



うーん、これ以上はあちら側の一方的な暴力となってしまう。しかも今はマジフト中なので魔法を使って攻撃されても文句は言えない



「何してんスか、あんたら」



…え？ジャック君？



「ん？縄張りに踏み込んだ奴らをちょっと遊んでやってるだけだろ」



「初心者いたぶって何が楽しいんスか」



「なーにぃ？ジャックくん、正義のヒーローみたいでカッコイイっスねぇ。シシシッ！」



「俺はただ、みっともなくて見てられねぇって言ってるだけっす」



これは思わぬ救世主だ。グリムの事で怒っているのかと思っていたがそんな事は気にしていないようだ



「…はっ、しらけること言うぜ。まあいい、もう飽きた。お前らを相手にしたってなんの意味もない。行くぞ、ラギー」



「ウィーっス」



そう言ってレオナ先輩達は去っていった



…助かったぁ！どうなる事かと思ったよ



「ありがとうございます！みんな大丈夫？」



「ああ、大丈夫だ。ジャック、だったな。助かった」



「別に。お前らを助けたわけじゃねぇ」



うんうん、ツンツンしてる人は最初はそう言うんだよ



『もうこんな時間だし、僕達は帰ろうか』



「………」



…ジャック君が意味深な視線を投げてきたな



もう、そんな目で見るなよ！照れる(？)

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