入学試験・その後 ページ4
教職員モニタールーム
｢実技総合成績、出ました。｣
目の前の1番大きなモニターに、一般入学試験での合格者の順位が表示される。
｢レスキューポイント0で2位…77ポイントとはなぁ！｣
｢1P、2Pは標的を捕捉し近寄ってくる。後半他が鈍っていく中、派手な個性で寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ。｣
｢対照的に、敵ポイント0で8位。
｢思わずYEAH!って言っちゃったからな＿＿｣
｢しかし、自身の衝撃で甚大な負傷…まるで発現したての幼児だ。｣
｢妙なやつだよ、あそこ以外はずっと典型的な不合格者だった。｣
｢細けぇことはいんだよ！俺はあいつ気に入ったよ！｣
｢YEAH!って言っちゃったしな＿＿｣
それを見ながら、教師たちは両極端な2人について分析しながら楽しそうに話している。
(…ったく…わいわいと…)
その様子を、離れたところから呆れたような目で傍観しているくたびれた様子の男性がいる。
(…そりゃこいつらも極端だが、それよりも…)
｢…それよりも、やっぱり最も注目すべきは…｣
｢あぁ。｣
｢実技1位の、雪宮Aね…｣
他のモニターにも試験中のAが映り、教師たちの興味はAに移る。
｢敵ポイント47、これだけでもまぁギリ合格圏内だが…｣
｢問題はレスキューポイント。72ポイントとはな…｣
｢まさか、今年度の試験だけで2人も
｢個性も、物体を動かす系のものか？あそこまで使い勝手が良いのは珍しいな。発動条件はなんだ？｣
｢身体能力もかなり高かった。｣
｢咄嗟の判断力にも優れていたな。2位の彼がかなりの高スピードで敵を倒していたのを見てか、個性で建物に登り状況把握に専念、他の受験者がピンチになっている所に割り込み、まぁ横取り作戦に切り替えた訳だ。｣
｢情報力、機動力、判断力、戦闘力。全てが推薦入学でも通用するレベルだ。期待の新入生だな。｣
(…雪宮A、ねぇ。)
｢…。｣
Aには、珍しくその気怠そうな男性も興味を示しているようで、モニターを睨んでいる。
｢…はぁ。｣
その男性は溜め息をついて、最前列にいるネズミとも小さい熊とも取れるよく分からない生物の下へ行った。
｢…すみません校長、少しいいですか。｣
｢ん？なんだい相澤くん。｣
｢…少し、ご相談がありまして。｣
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作者名：つるは | 作成日時：2023年12月31日 22時
