40話 温かさの代償�� ページ40
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「…佐野くん」
「ん？」
「指輪、本当にありがとう」
「どーいたしまして」
「そうだ、チェーン通して毎日制服の下に着けていってもいい？」
「オマエのもんなんだから好きにしろよ。…まあそうしてくれんなら俺も嬉しいけど」
「えへへ、じゃあ着けちゃお。…ねえ佐野くん？」
「なに？」
そっと離れて佐野くんを見つめれば、するりと指を絡ませて見つめ返してくれる。
背けたくなるほど真っ直ぐにいつも私を見てくれる彼の隣に、これからもこうして並んでいたいと心から思った。
「キミと恋人になれて、私すっごい幸せだよ」
「！そんなの、俺の方が…」
「ん？」
「んや、何でもねえ」
僅かに目を見開き何かを言いかけたが、その言葉の真意は分からぬまま一瞬にして唇を奪われる。
「ちょっ、待っ、ここ外なんだけど…！」
「だめ？」
「うー…いっ…しゅんだけだからね…」
「はは、おっけ」
周りに誰もいないことを確認してそう答えれば本当に一瞬、されど一瞬とは思えないほどの甘い口付けを落とされる。
彼は本当にずるい。こんなのむしろ…
「ふっ。Aさ、一瞬じゃ物足りねーって顔してんね？」
「っ…してないもん」
「いーやしてる」
「そういう佐野くんこそ」
「俺？俺は元々足りてねえけど。全然」
「ぜ、全然…」
「そ。全然」
全てバレていると言わんばかりに、にやにやと煽ってくる佐野くんを逆に煽り返したつもりが、なんだか良くない流れになっている気がする。
だが気がする、だなんてことを思い始めた時には大抵いつもすでに遅いのだ。
「だからさ、次のデートん時は覚悟しとけよ？」
そう言って、ぺろりと自身の唇を舐めた佐野くんは私が今までに出会った何よりも美しく、私が主役のこんな日でさえも、1人勝ちで全部全部持っていってしまうんだ。
「悔しい…」
「なにが？」
「何でもないですぅ〜。絶対そのうち佐野くんをぎゃふんと言わせるんだから」
「はいはい、出来るもんならな」
その日の夜は、どうにも眠ることが出来ずにずっと考えていた。
この幸せをもし失くしてしまえば、果たして私は耐えられるだろうか。
…いや、そんなの分かりきっている。
「…知らないままだったら、失う恐怖もなかったのかな」
なんて思うことは、贅沢な悩みなのだろうか。
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ルイ(プロフ) - チョコプリンさん» 前作に続いてこちらも楽しんで下さってありがとうございます😭✨そのお言葉がめちゃくちゃ嬉しいです！引き続き頑張っていきます〜💪 (2022年2月15日 17時) (
レス) @page24 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 前作からのファンです！🙋♀️もうめっっっちゃすきです！今後も応援させて頂きます📣💕 (2022年2月15日 7時) (レス) @page25 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - ゆたんぽさん» 嬉しいコメントありがとうございます！( ；∀；)頑張っていきますー！ (2022年1月25日 15時) (レス) @page10 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - だめだ。好きな内容すぎて。仕事放棄して一気読みしてた。。。続き頑張ってください！応援してます！！ (2022年1月21日 14時) (レス) @page10 id: 7710f291f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - なさん» ありがとうございます！前作に続いて新作まで見ていただけてとても嬉しいです！楽しんでいただけるよう頑張ります(*´ω`*) (2022年1月18日 13時) (レス) id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年1月18日 2時
