38話 温かさの代償�� ページ38
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恐る恐る自分の薬指を見ると、そこにはきらりと綺麗な指輪が輝いていて目を見開く。
バッと顔を上げれば得意気にこちらを見て笑う佐野くんがいて、停止しかけた思考が徐々に動き始める。
「たん、生日…？そっか私…そうだったね…」
「はあ？オマエ自分の誕生日忘れてたわけ？」
「だって…祝ってくれる人なんて、最近はいなかったから…」
携帯を確認すると24時を過ぎており、鈍い私はそこでようやく呼び出しの意味を理解した。
自分の誕生日なんて、祝ってくれる人がいなければ気にするような日でもない。
めでたいとも思わなければ、忘れていたくらいだ。
たとえ覚えていたとしても、いつもと変わらぬ1日を過ごすものだと思っていたのに。
それなのに、彼は…
「な、絶対ェ俺が1番だろ？日付変わってすぐ祝いたかったんだよ」
こんな無邪気な笑顔で私の誕生を祝う姿を見せられて、彼に惚れ直さないことなんてどうして出来るだろうか。
溢れそうになる気持ちをぐっと堪えて、自分の左手を見つめながらなんとか平常心を装って笑い返した。
「あはは、断トツ1番。佐野くんが私の誕生日知っててびっくりしたよ」
「あー…エマが持ってた雑誌にAのプロフィールが載ってて、たまたまな」
「そっか。エマちゃんにもお礼言わなきゃね」
「はぁ？まず俺じゃねえの？」
「いや〜佐野くんはお礼だけじゃ足りないかなって」
「へえ、じゃあ何してくれるんだろうな」
期待を込めた眼差しを向ける佐野くんの肩に手を置いてゆっくり近付き、勇気を出してその柔らかな頬にちゅっと口付ける。
普段の私なら絶対にしないようなその行動に、佐野くんは驚きつつも穏やかに笑って私の頭を撫でた。
「ありがとう佐野くん。だ…大好き、だよ」
「ふっ、カタコトじゃん。どーいたしまして」
「もーなんでそんなに笑うの？」
「いや？随分カワイーお礼だなと思って」
「なにそれー…」
そんなことを言いながら、私の頭の上で手の動きをぴたりと止めた彼はじっとこちらを見つめてきた。
突然の真剣な眼差しに何事かと身構えると、彼はゆっくりと口を開く。
「…なあA、1コ聞いていい？」
「ん？」
「何でオマエ、泣いてんの？」
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ルイ(プロフ) - チョコプリンさん» 前作に続いてこちらも楽しんで下さってありがとうございます😭✨そのお言葉がめちゃくちゃ嬉しいです！引き続き頑張っていきます〜💪 (2022年2月15日 17時) (
レス) @page24 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 前作からのファンです！🙋♀️もうめっっっちゃすきです！今後も応援させて頂きます📣💕 (2022年2月15日 7時) (レス) @page25 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - ゆたんぽさん» 嬉しいコメントありがとうございます！( ；∀；)頑張っていきますー！ (2022年1月25日 15時) (レス) @page10 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - だめだ。好きな内容すぎて。仕事放棄して一気読みしてた。。。続き頑張ってください！応援してます！！ (2022年1月21日 14時) (レス) @page10 id: 7710f291f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - なさん» ありがとうございます！前作に続いて新作まで見ていただけてとても嬉しいです！楽しんでいただけるよう頑張ります(*´ω`*) (2022年1月18日 13時) (レス) id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年1月18日 2時
