37話 温かさの代償�� ページ37
＊
最近では少しずつモデル活動も忙しくなり、撮影がある日は帰って夜遅くから勉強をすることがほとんどだった。
もうすぐ日付も変わろうとしていた時、ちょうど宿題がキリ良くなって大きく伸びをすれば、タイミング良く机の上で携帯が鳴る。
こんな時間に誰かと画面を見ると、表示された名前に思わず「えっ」と小さく声が漏れた。
「も、もしもし…？」
『よ、A。俺だけど』
「オレオレ詐欺？」
『オマエなに馬鹿なこと言ってんの？』
「もう佐野くんったらノリ悪いなぁ…どうしたの？」
『今からちょっとだけ出られねえ？』
「いま？」
『そう。無理だったら…まあ明日でもいいけど』
「ううん大丈夫。どこ？」
『悪いな。お前ん家の近くの河川敷にいるから』
「分かった。ちょっと待ってて」
電話を切るやいなや、私は大急ぎでパーカーを羽織って家を飛び出した。
電話の主である佐野くんは、想像通りだが自ら電話をかけるタイプでは全くない。
かと言って私も用事もないのに電話をかけるタイプではないため、これが付き合って初めての通話だったりしたのだ。
「佐野くん！」
「お、きたきた。ごめんなこんな時間に」
「ううん。逆にそれだけ大事な用だったんじゃない？」
「ウン。かなり大事な用」
私の近所の河川敷…すなわち私たちが初めて出会った場所に座っていた佐野くんを見つけて駆け寄ると、ひらりと手を振ってくる。
どこか意味ありげに口角を上げた彼の隣にそっと座れば、心地良い夜風が一つ吹いた。
「ちょっと目閉じてくんね？」
「？分かった」
呼び出した理由も未だに分からないが、とりあえず言われるがまま目を閉じると、彼はそっと私の左手を持ち上げてくる。
「まだ開けんなよ」と念を押されたため、訳も分からない状態で待っていると、一瞬わずかに薬指に柔らかい熱が触れて。
目を閉じている分、いつもより感覚が鋭くなっている上に私はこの温度の正体をよく知っている。
そして驚く間もなく次の瞬間、するりと同じ指に冷たい金属の感触が伝わった。
「よし、もういーよ」
「…え？これ…」
「誕生日おめでと、A」
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ルイ(プロフ) - チョコプリンさん» 前作に続いてこちらも楽しんで下さってありがとうございます😭✨そのお言葉がめちゃくちゃ嬉しいです！引き続き頑張っていきます〜💪 (2022年2月15日 17時) (
レス) @page24 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 前作からのファンです！🙋♀️もうめっっっちゃすきです！今後も応援させて頂きます📣💕 (2022年2月15日 7時) (レス) @page25 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - ゆたんぽさん» 嬉しいコメントありがとうございます！( ；∀；)頑張っていきますー！ (2022年1月25日 15時) (レス) @page10 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - だめだ。好きな内容すぎて。仕事放棄して一気読みしてた。。。続き頑張ってください！応援してます！！ (2022年1月21日 14時) (レス) @page10 id: 7710f291f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - なさん» ありがとうございます！前作に続いて新作まで見ていただけてとても嬉しいです！楽しんでいただけるよう頑張ります(*´ω`*) (2022年1月18日 13時) (レス) id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年1月18日 2時
