33話 君への特別�� ページ33
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「…へ？な、なに急に」
「ん？呼ばれたいから」
「ええ…なんか恥ずかしいんだけど」
「はは、最近はキスで照れなくなったくせに訳わかんねえな」
「う、うるさいなぁ」
突然の名前呼びのご所望に動揺していると、佐野くんは味をしめたような悪い顔をぐっと近付ける。
思わず顔を逸らして悪態をつけば、すぐさまその顔は彼の方へと戻された。
「わ！なに？」
「早く」
「…え？これ呼ばなきゃ終わらない感じ！？」
「当たり前だろ」
「う〜…」
適当に流そうとしていたのはバレバレだったようで、顔を両手でホールドされ強制的に目を合わされれば、もはやゲームオーバー。
為す術などなく、私の瞳を見つめる佐野くんをそろりと見上げる。
「ま、」
「うんうん」
「まん、じろ…くん」
「くんもいらねえ」
「そんなの聞いてないんだけど！？」
この人、意を決して言った私の頑張りを一刀両断した…！？
もはや楽しんでいるのではないかという軽い口振りでハードルを上げてきた彼はにっこりと笑う。
「今言ったじゃん。ほら俺待ってんだけど〜」
「〜〜ああもうッ！万次郎！」
「お？」
「はいもう言ったからおしまい！」
「は？早えよ、もっとゆっくり」
「ねえもう勘弁してぇ〜…」
「あははは」
勢いに任せて言い切った私の頭をくしゃくしゃと撫でながら、佐野くんは無邪気に笑い声を上げる。
たかが名前一つ。
されど名前とはその人を表す全てでもあるわけで、叫んだ彼の名をなんだか無性に愛おしく感じてしまったことは、今はまだ内緒にしておこう。
「…これからもさ、」
「うん？」
「オマエが俺の名前、呼んでよ」
そう言って、少し寂しそうに目を細めた佐野くんは再び歩き始めた。
こういう時だけ、彼が何を考えているのか分からないことが、何だかすごくもどかしい。
でも分からないからこそ、側にいてもっと彼を理解したい。
後ろから佐野くんの背中に駆け寄って手を取れば、振り返って微笑んだ彼は指を絡めて歩き出す。
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ルイ(プロフ) - チョコプリンさん» 前作に続いてこちらも楽しんで下さってありがとうございます😭✨そのお言葉がめちゃくちゃ嬉しいです！引き続き頑張っていきます〜💪 (2022年2月15日 17時) (
レス) @page24 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 前作からのファンです！🙋♀️もうめっっっちゃすきです！今後も応援させて頂きます📣💕 (2022年2月15日 7時) (レス) @page25 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - ゆたんぽさん» 嬉しいコメントありがとうございます！( ；∀；)頑張っていきますー！ (2022年1月25日 15時) (レス) @page10 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - だめだ。好きな内容すぎて。仕事放棄して一気読みしてた。。。続き頑張ってください！応援してます！！ (2022年1月21日 14時) (レス) @page10 id: 7710f291f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - なさん» ありがとうございます！前作に続いて新作まで見ていただけてとても嬉しいです！楽しんでいただけるよう頑張ります(*´ω`*) (2022年1月18日 13時) (レス) id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年1月18日 2時
