2話 あの夏の日は泡となって�� ページ2
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「正気？オマエ誰だよ」
「だからAだって」
「そうじゃなくて…はぁ、なんかもういーや」
面倒臭そうに頭を掻いた彼は、膝をついて私の頬に手を当てる。
恐ろしく冷たいその手の温度が、私にはひどく気持ち良かった。
そしていつの間にか彼と私の間には互いの息がかかる距離しかなくなっており、じっとこちらを見つめながら彼は口を開く。
「…あとちょっとでくっつくけど」
「それを望んでいるんだけどな」
「やめるなら今だぞ」
「まさか。私から誘っておいて？」
ここまできて引けなかった。
引きたくなかった。
私の答えを聞いた瞬間、唇に自分じゃない温度が触れ、一瞬にして飲み込まれる感覚に襲われる。
手はこんなにも冷たいくせに、触れる温度はどうしようもないくらい温かいのがちぐはぐで、
ファーストキスにも関わらずちょっと笑いそうになってしまった。
誰だレモン味だとか言った奴は。
これはそんなに甘酸っぱいものではない…下手をすればそう、麻薬だ。
そうしているうちに、どれだけの時間触れていたのだろう。
どこか名残惜しそうにしながら、どちらからともなくそっと離れたあと、私の頭に手を置いた彼は立ち上がった。
「じゃ」
「うん」
名前も聞かなかった。
このまま美しい思い出にしようと思ったから。
それが、私と彼…佐野万次郎との出会い。
あれから2年経って中学3年生になった今でもその日のことは鮮明に覚えているし、一生忘れることはないだろう。
「あの、佐野くん？」
「ふああ…ん…？誰おまえ？」
「え」
まあもっとも、向こうは完全に忘れていたようですが。
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ルイ(プロフ) - チョコプリンさん» 前作に続いてこちらも楽しんで下さってありがとうございます😭✨そのお言葉がめちゃくちゃ嬉しいです！引き続き頑張っていきます〜💪 (2022年2月15日 17時) (
レス) @page24 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 前作からのファンです！🙋♀️もうめっっっちゃすきです！今後も応援させて頂きます📣💕 (2022年2月15日 7時) (レス) @page25 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - ゆたんぽさん» 嬉しいコメントありがとうございます！( ；∀；)頑張っていきますー！ (2022年1月25日 15時) (レス) @page10 id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - だめだ。好きな内容すぎて。仕事放棄して一気読みしてた。。。続き頑張ってください！応援してます！！ (2022年1月21日 14時) (レス) @page10 id: 7710f291f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - なさん» ありがとうございます！前作に続いて新作まで見ていただけてとても嬉しいです！楽しんでいただけるよう頑張ります(*´ω`*) (2022年1月18日 13時) (レス) id: cd547e9a61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年1月18日 2時
