88話 ページ9
「イケメン先輩は、随分とユニークなあだ名を付けて下さるんですねぇ？」
初対面の男から自身に向けられた、"クイーン"という言葉。
僅かに顔を歪ませた直後、すぐにいつものにこやかな表情に戻った成宮はきょとんと可愛らしく小首をかしげる。
「いや、その前にイケメン先輩ってなんだよ。さっき名乗ったじゃん」
「すみません私忘れっぽくて〜。付託先輩でしたっけ？」
「ちげーよ！ふ・た・く・ち！漢数字の二に口元の口！」
「あははカタカナの"にろ"みたいですね！よろしくお願いします、にろ先輩」
「はぁ！？クッソお前わざとだろ！？」
軌道を修正し、形成逆転。
自身のペースに持っていった成宮はけらけらと無邪気に笑う。
そんな彼女を見てこんな予定じゃなかったと頭をかく二口も、真剣に試合を観戦し始めた青根に習い、目線をコートに向けながら続ける。
「俺さぁ、お前が去年出てた麻雀の大会を偶然ネットで観てたんだよ」
「え〜何のことかさっぱりです。人違いじゃないですか？」
「さすがに顔と名前の両方は間違えねえっつの。優勝して"クイーン"って、そうMCから呼ばれてたろ？」
「…ちっ」
「舌打ち！？お前さっきから俺に当たり強くねぇか！？」
ピピーッと審判の笛が鳴り、ブロックに飛んだ影山が顔面でボールを受け、外に出て行く。
鼻からたらりと流れた彼の血を見て、あちゃーと頭を抱え、苦笑いした成宮が立ち上がった。
「うっひゃ〜トビちゃんったら気合い入りすぎでしょ。相変わらず面白いなぁ」
「おい、どこ行くんだよ？」
「ん？あー…大丈夫だとは思いますけどマネとして一応様子を見に？そ、れ、に！」
ずいっと二口に顔を近付けた成宮がジト目で見やる。
先程まではあまり自分に対して興味を向けてくれない印象だった彼女からの突然の距離に、
異性からそれなりに好意を寄せられがちな二口でさえ思わずたじろぐ。
…間近で見ると、やっぱ美人だよなぁ。変人だけど。
変人だけど！
「にろ先輩、さっきからあまり私がして欲しくない話ばっかしちゃうんですもん」
「え…マジ？もしかして烏野の連中、あんたのそういうの知らないわけ？」
「はい。なので…」
"先輩と私の秘密ですよ？"
にこり。綺麗な、だが明らかな作り笑いを浮かべた彼女が二口に囁く。
それが作り笑いと理解していても、二口は見惚れざるを得なかった。
「いいけど…ライン教えてくれたらな？」
「うげっ。まぁ、今回ばかりはしょうがないですねぇ」
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おもち。(プロフ) - ルイさん» 本当ですか！嬉しいです(^^♪最終章まで楽しませていただきます(*´`) (2020年4月17日 1時) (
レス) id: 753b9a62df (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - おもち。さん» わぁぁ！おもち。さん、とても嬉しいお言葉ありがとうございます！！最終章まで近いですが頑張ります♪（おもち。さんの素敵な小説も拝見させて頂いております(*´ω`*)） (2020年4月16日 21時) (レス) id: 94aec662ed (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - 今まで読んできた小説の中で内容や設定1番好きかもしれません……！展開の魅せかたがめっちゃ好きです！！更新頑張ってください！ (2020年4月16日 16時) (レス) id: 753b9a62df (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 佑奈さん» 佑奈さんありがとうございます！赤葦くんかっこいいですよね…！次の章からはまた登場予定なので楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです！ (2020年4月15日 1時) (レス) id: 94aec662ed (このIDを非表示/違反報告)
佑奈(プロフ) - このお話の赤葦くん好き… (2020年4月14日 15時) (レス) id: 174bbcca55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2016年7月4日 15時
