92話 ページ13
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その後、何事もなかったかのように戻って来た2人に対して1年組は群がるも、そこは成宮の本領発揮。
上手いこと彼らをあしらった。
心配しすぎて顔面蒼白かつ涙目になる谷地の顔を見て、ほんの少しズキリと良心が痛むが、それでも彼女は自分の私情でチームメイトの士気を乱したくはなかったのだ。
烏養らにも「すみません、もう大丈夫です」と頭を下げ、彼らは帰りのバスへと向かったのだった。
「ふぅ〜どっこいしょっと。この座席もすっかり定着しましたね、スガさん」
「…だな」
「？スガさんどうされました？」
移動のバスでは菅原と成宮のセットも最近ではすっかり馴染むようになり、当たり前のように話しかけた成宮。
一方の菅原は、彼にしては珍しくムスッとした表情で短く返事をし、彼女はその様子の違和感を口にした。
目の前で「おーい？」とヒラヒラ手を振る彼女を見つめ、菅原は大きく溜め息を吐く。
「べっつにー？はぁ〜」
「もうだから何ですってば？面倒臭いなぁ」
「いま面倒臭いって言ったべ！？はーあ。仲良くなったと思ってたのは俺だけだったんだなぁ？」
ぷいっとわざとらしく窓側にそっぽを向いてしまった菅原。
彼女は不謹慎にも、先輩ながらその姿に可愛いなどと思ってしまうが、
一方、彼の言葉からおおよその事情が読めてくる。
「スガさんスガさん、成宮は閃きましたよ！」
「おうおう言ってみー？」
「ずばりスガさんは、ツッキーに嫉妬しちゃいました！？」
「……」
「え、待って沈黙やめて。ドヤ顔決めた私が自惚れクソ野郎みたいじゃないですか」
沈黙真顔という武器を持って彼女を見つめる菅原。
これで外していたら、本当に自分が痛い子ではないかと成宮も焦り出す。
だが一度目を閉じた後、ふぅと息を吐きゆっくりと目を開けた菅原が口元を尖らせたまま、言葉を発した。
「…だーもうその通りだよッ！」
「あっはは！本当にこの部は可愛い人ばっかだなぁ」
観念した菅原の言葉に、成宮は笑い声を上げる。
(…みんな、こんな私を心配してくれるんだね)
胸の内側から込み上げるこそばゆい感覚に、彼女はわずかに頬を染めた。
心配をかけないように、幻滅されないように隠してきた自分自身のこと。
それなのに、いくら誤魔化そうとも見捨てずに寄り添ってくれる彼らを見て、彼女は何だか泣きそうになった。
少しだけ、ほんの少しだけ。
「…気になるなら今日一緒に帰ります？」
____私も自分の扉を開けてみようか
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おもち。(プロフ) - ルイさん» 本当ですか！嬉しいです(^^♪最終章まで楽しませていただきます(*´`) (2020年4月17日 1時) (
レス) id: 753b9a62df (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - おもち。さん» わぁぁ！おもち。さん、とても嬉しいお言葉ありがとうございます！！最終章まで近いですが頑張ります♪（おもち。さんの素敵な小説も拝見させて頂いております(*´ω`*)） (2020年4月16日 21時) (レス) id: 94aec662ed (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - 今まで読んできた小説の中で内容や設定1番好きかもしれません……！展開の魅せかたがめっちゃ好きです！！更新頑張ってください！ (2020年4月16日 16時) (レス) id: 753b9a62df (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 佑奈さん» 佑奈さんありがとうございます！赤葦くんかっこいいですよね…！次の章からはまた登場予定なので楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです！ (2020年4月15日 1時) (レス) id: 94aec662ed (このIDを非表示/違反報告)
佑奈(プロフ) - このお話の赤葦くん好き… (2020年4月14日 15時) (レス) id: 174bbcca55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2016年7月4日 15時
