花と藍

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白石side
＿＿医局


午後はなんとか今の所落ち着いていて、少し遅めの昼食を藤川先生と、救命に帰って来たばかりの緋山先生と食べることになった。


藤川「しっかし、藍沢は冷たいなあ！俺のこのやつれた顔見て何とも思わないのかね」

緋山「藍沢があんたの顔なんか見てるわけないでしょ。患者の脳みそしか興味ない男なんだから」

藤川「ま、そういう奴だけど。…てか、まさかお前が白車に乗ってたとはな」


藤川先生の言う通り。まさか私も緋山先生がいるとは思わなかった。今も飄々としてるけど、普通そんな風に巻き込まれたらもっと動揺するものじゃないのかな？まあとりあえずは本当、無事で良かった…


緋山「唯一の着替えがこれって最悪」

藤川「なに、家そんなひどいの？」

緋山「消火液でぐっちゃぐちゃ、服も全滅」


それはあまりにも可哀想だなと思って、ちょっとした助け舟を出す。これぐらいならしてあげられるんだけどね。


白石「後で私のスウェット貸してあげる。当直の時の」

緋山「サンキュー」

藤川「でも緋山は偉いよ！そんな時でも戻ってきてくれてお前は情に厚いよ」

緋山「頼んできたのがあんただったら戻ないけどさ、三井先生に頭下げられちゃうとね。…Aは、Aは、戻って来ないのかな。」

白石「Aは事情か事情だもんね。でも、できれば戻って来て欲しいな。何より会いたい」


AA… 私たちの5人目の同期。藍沢先生に負けず劣らずの優秀なドクターで、6年前にフランスに行ったきり。1番親しみやすくて可愛らしい、まめに連絡を取るような子だったのに、私たちとの連絡は6年前で途切れてる。


藤川「Aが救命に戻ってきたら、藍沢も戻ってきそうだしな！それにしてもさ、三井先生も薄情だよ、突然休職するなんて」

白石「あ！」

緋山「え？」


わーばかばか！藤川先生のばか、ほんとばか！なんで緋山先生の前でその事話しちゃうの？？な、なんとか誤魔化さなきゃ…


白石「っ…もう３分経ったんじゃない？い、いいな〜、カップ麺とか食べきれたら奇跡だよね」

藤川「だろぉ？贅沢しちゃってるだろぉ？」

緋山「ちょっと、三井先生休職すんの？どゆこと？」


ほらもう〜 ほんと藤川先生のばか…。

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