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藍沢side
__脳外科
西条「午前中だけで4フライトかー。今日は多いな、これはまたこっちに押し付けてくるぞー」
新海「救命は受け入れるだけ受け入れてさばききれてないですもんねえ笑」
脳外にしかいなければそう思うのも可笑しくはない。脳外にとって救命ははっきり言ってお荷物だ。しかし救命にいたからこそわかる。あの現場は本当に生易しいものではない。あいつらだって、押し付けたくてやってるわけじゃない、と。
しかしそうは言ってももうすぐコンサルの連絡が来るだろう。早めに話を聞いておく必要があると思い、先を促した。
藍沢「トロント大の話してもらっていいですか?」
西条「行くのは年明けだから、秋には決めたい」
prrr
西条「ほ〜ら、きたぞ」
藍沢「すいません」
そして案の定来たコンサルの連絡を聞き、救命へ向かう。あいつらのいる、しかし『あいつ』のいない、救命へ。
白石side
__救命センター
藤川「はい、ICU行くよ」
灰谷「はい」
緋山「モニターの波形、こっちに見せて」
看護師「はい」
藍沢「入ります」
橘「藍沢、頼む」
藍沢先生が来てくれた。彼が来てくれたなら大丈夫。そう信じて。ほんとはこの場にあの子もいてほしいところだけど…
藍沢「また今日はずいぶんバタバタしてますね」
冴島「ストレッチャー入ります!救急隊の到着時にはすでに心停止、CPRには反応しません」
藍沢「皮髄境界が消失してます。脳幹の圧排が強い」
橘「ダメか?」
藍沢「蘇生に時間がかかり過ぎました」
橘「…11時14分、死亡確認」
大丈夫だと、助かると思ってたら、駄目だった。その事実に、死亡を告げるあの高い音に、焦る。駄目よ白石先生。焦りは禁物。諦めずに、目の前の患者を助けるのよー
白石「まだ若いしPCPSはどうかな」
冴島「一度もアドレナリンに反応してません」
白石「瞳孔どうですか?」
三井「散大してる。白石、残念だけど諦めましょう」
橘「そっちも駄目かあー…」
こっちも駄目だった。そして、思ってしまう。救命がもっと万全の状態だったらこの患者達は救えたんじゃないかって。そんなこと考えても、無駄だってわかってるけど…。
藍沢「CTの所見はここに書けばいいか」
冴島「はい…」
藍沢先生にも申し訳ないことしちゃったな。もっと早く呼んでいたら、死ぬ間際にだけ立ち会うなんてこと、ならなかったのかな…。本当に、救命が万全だったら。せめてあと藍沢先生だけでもいてくれたら。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になってますが、終わりなのでしょうか? (2019年9月9日 6時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
さわ - 凄く面白いです!!更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2017年10月15日 22時) (レス) id: 624c3d29d5 (このIDを非表示/違反報告)
すみ(プロフ) - 友結子さん» そうなんですね!更新頑張ってください! (2017年10月13日 6時) (レス) id: a9185cd038 (このIDを非表示/違反報告)
友結子(プロフ) - すみさん» 面白いと言って頂けて有難い限りです( ; ; )!! 台詞に関しては全話録画してあるものをちょこちょこ再生しながら書いております◎ 医療知識がないので専門用語等間違えているかもしれませんが、なるべくドラマの再現ができるよう尽力しております○* (2017年10月13日 0時) (レス) id: e7ffff4c77 (このIDを非表示/違反報告)
すみ(プロフ) - この小説ホントに面白いです!ドラマとセリフとかも一緒ですごいですね!見ながら書いてるんですか? (2017年10月12日 18時) (レス) id: a9185cd038 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:友結子 | 作成日時:2017年10月9日 2時