. ページ31
Aside
悠斗くんのことも落ち着いて、改めて2人きりになる。昔は2人きりの時の沈黙が心地良かったけれど、今は気不味さしか感じられなくて耐えきれなくなって、思わず口を開く。
『耕…本当にごめんなさい。私弱くて、下手に渡仏することを言ってフランス行きを諦めたり、例え行ったとしても耕のことが余計に恋しくなるのが怖かったの。てもそれってすごく自分勝手だったよね。いい歳して、全然耕や皆の気持ち考えれてなかった。でもいざフランスに行って6年過ごして、とっても後悔したの。だって私は、きゃっ…！』
藍沢「もういい。怒ってない」
話の途中で抱き竦められる。抱き締められたことと、今勢いで口走りそうになった内容に思わず顔に熱が集まったけれど、何だか耕の声が強張ってるような気がして、本当に怒ってないのかどうかが図りかねてしまった。もちろん怒っていたって私が責められる立場ではないけれど…
『耕…？どうして、急に、』
藍沢「俺は、この6年間ずっと後悔していた。」
『耕が後悔…？どうして、私が勝手にフランスに行ったのにっ』
藍沢「俺はあの頃、名医になることを最優先にしていた。他に大切なものがあってもできる限り優先せずに生きてきたんだ。」
『うん…耕は、いつも努力を惜しまないでここまでやってきたよね。』
藍沢「医療に関しては、だ。だが、ずっと他の事を最低限しか大切にしなかったせいで、その最低限の基準をいつの間にか間違えていた。然るべき時、然るべき行動をしてこなかったんだ。」
言ってる意味自体はわかるけれど、その本題が中々読めなくて説明を求める。
『どういうこと、よくわからないよ…』
藍沢「つまり俺は6年前、いや、もっと前からだな…。お前に伝えておくべき事を、伝えたかった事を後回しにして告げなかったんだ。そのことをずっと後悔していた。告げていたらこうはならなかったんじゃなかったかって、悔やんでいた。…A。」
『っ、はい。』
突然名前を呼ばれて思わず敬語になる。耕の目が私を捕らえて、ちゃんと目を合わせたのなんて6年ぶりで、緊張してしまう。彼は、一体、何を。
それから少しの間を置いて、彼は口を開いた。
藍沢「俺は、A、お前が好きだ。今も昔も、お前への想いは変わらない。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 546人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になってますが、終わりなのでしょうか？ (2019年9月9日 6時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
さわ - 凄く面白いです！！更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2017年10月15日 22時) (レス) id: 624c3d29d5 (このIDを非表示/違反報告)
すみ(プロフ) - 友結子さん» そうなんですね！更新頑張ってください！ (2017年10月13日 6時) (レス) id: a9185cd038 (このIDを非表示/違反報告)
友結子(プロフ) - すみさん» 面白いと言って頂けて有難い限りです（ ; ; ）!! 台詞に関しては全話録画してあるものをちょこちょこ再生しながら書いております◎ 医療知識がないので専門用語等間違えているかもしれませんが、なるべくドラマの再現ができるよう尽力しております○* (2017年10月13日 0時) (レス) id: e7ffff4c77 (このIDを非表示/違反報告)
すみ(プロフ) - この小説ホントに面白いです！ドラマとセリフとかも一緒ですごいですね！見ながら書いてるんですか？ (2017年10月12日 18時) (レス) id: a9185cd038 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：友結子 | 作成日時：2017年10月9日 2時
