花と藍

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藍沢side

《七夕の短冊。
子どもの頃は素直に願いを書いた。けど大人になったら書かなくなる。なぜだろう…》




＿＿へリ


冴島「三井先生、脈が少し早くなっています」

三井「点滴、全開にしましょう」

冴島「はい」




《どんなに願ったところで、叶わない事があると知ってしまったからだろうか。》






白石side
＿＿救命センター


藤川「三井先生が今週で辞める！？」


藤川先生が大声を出す。普段ならうるさい！って諌めるけど、無理もない、私だってまだ全然受け止めきれてない…。


白石「私もさっき聞いたの。灰谷くん、レボア用意してくれる？」

灰谷「はい！」

白石「お願いね」

灰谷「はい…」


フェローのうちの1人、灰谷先生は真面目だけどまだ慣れてなくて何もできないってかんじだし、


藤川「あ、そこで携帯いじってる君、次からこのメモ書いてね」

名取「あ〜それですね、分かりました」


名取先生はまるでやる気がないみたいでずっと携帯をいじってるし、


藤川「はぁ… うわっあぶね！」

雪村「レベル1、用意してあります。開胸セットは来てからでいいですか？藤川先生！」

藤川「ありがとう…笑」


新人のナースである雪村さんは、まるで昔の冴島さんみたい。


横峯「すいませ〜ん、もう戻るんですか？やっぱりヘリって速〜い！」

藤川「速いよ〜だから君も早く来て準備しようね」

横峯「はい！」


横峯先生は多分、この現場がどれだけ厳しいのかわかってないんだろうなあ。


藤川「…お前が一番よく分かってんだろ！今このや
ばい状況」

白石「はぁ…分かってる」


フェローは正直使えない。となると、動けるドクターは私と藤川先生、橘先生だけになる。
今の状態でも苦しいのに、これ以上、なんて。
分かってるからこそ、スタッフリーダーなのに何もできないどころか、事情も何もわかってない自分が歯痒いのよ、藤川先生。

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