吸血鬼と私【After the Rain】 (ページ41)

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36話ページ41

「ねぇ、このままサボっちゃお？いいですか？」

とまふくんはまた顔を近づける。

キスされる…そう思った瞬間、扉が開く。

「ちょっとまふくん？じゅ･ぎょ･う！！！！」

天月くんが扉を開けた張本人。

「って、Aちゃん！？血が出てるじゃん！！？ほ、保健室！？」

まふくんの方を見ると、バツが悪そうな顔で目をそらす。
いつもはちゃんと対処してくれるが、急に天月くんが入ってきたからそれすらも出来ない。

「は、早く保健室行こう！？！？」

「あ、じゃ、僕も！」

「まふくんは教室戻る！！単位！！」

単位という言葉に顔を歪める。

まふくんは渋々教室の方へ戻る。

私は天月くんに手を引かれ、保健室に着いた。

ーーーーー

「ふぅ、これで大丈夫だね！…で、まふくんが吸血鬼？」

そうだ、彼はヴァンパイアハンターってこの前知ったばかりだ。
多分、手当してくれた時に首元の牙跡を彼に見られたんだ。

誤魔化すべきか…。

なんて考えてると、ベッドに押し倒された。

『え…なんで』

「ふふん、まふくんに太腿とかキスされて興奮してたんでしょ？なら言ってくれるまで同じことするよ？見てたの知らなかった？」

そう言い、彼はスマホを見せる。
その写真はまふくんに噛まれてる時の私達が写っていた。

『まふくんを傷つけないで…』

彼が怖いと思ってしまう。
あんなに人懐っこくて、優しい彼が今は仕事のために手段を選ばず任務をこなしているんだと…。

「はい、終了ー。生徒会長として言うけど学校でのそーゆう事は禁止だよ？適度にね、天月？」

『そらるさん！？』

「やだなー！Aちゃんにそんな事する訳ないじゃないですか！僕には96ちゃんが居るし」

「尚更タチ悪いじゃねぇか、はい、教室戻る授業してこい」

「ん？そらるさんは？」

「俺？サボりに来た」

…さっき授業出ろって言った人が堂々とさぼり宣言しちゃったよ。この人。

「じゃ、Aちゃんの事お願いします」

彼はそらるさんにそう伝え、保健室から出てった。

「で、まふまふハメ外し過ぎだな。それに狡い、俺だって我慢してるのに…」

彼は私の首元の絆創膏を見てそう言う。
あの言葉は本音だろう…。

『ん、そらるさん…いい…よ？』

きっと人が喉を乾いて水を飲むように吸血鬼も喉が乾いて仕方ないのだろう。

「顔真っ赤すぎ、、恥ずかしいなら言わなきゃいいのに」

『だってそらるさん我慢してる…から、それに私は大丈夫ですよ…？』

「…どうなっても知らないから」