吸血鬼と私【After the Rain】 (ページ35)

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31話ページ35

side 天月

Aちゃんが1人で話していた空き教室にやってきた。

「ねぇー、どこにいる～？早く出てくれば優しくしてあげるよ～」

なんて言っても出てくれる訳ないかぁ～
面倒だな

「おい、早くしろよ "星河奏音" 」

ドスの効いた声が出る。

「そっちが出てこないならこっちもこうすることしか出来ないんだけどぉー？？」

そう言って俺は拳銃型の対ゴースト用の武器を出し、連射する。

「…………」

反応無し。

「うわあ"あ"あ"あ"！！！！」

「おっと？！」

下から現れたもんだから宙返りをして回避する。

「ふっ、やぁっと姿現してくれた。」

「なんの用だぁ"ぁ"ぁ"」

彼女はAちゃんと会ったような女学生の姿ではなく腐った化け物の姿で現れた。

「くそっ、ゴーストハンターか」

「ピンポーン、せいかーい！」

「こんな所で殺られるか！！私はあいつの身体が欲しいんだああああ」

なるほど、Aちゃんの身体を乗っ取ろうとしてたわけか

「Aちゃんの身体を使って何するの？」

俺は星河を威嚇しない程度に質問する。
質問しても答えてくれないのが大半だけどね。

「…………私は真冬くんに会いたいの…」

今、まふくんのことを言った？
この人はまふくんと知り合い？？

「聞いといてなんだけど、ごめんね討伐しないと上に怒られるんだよね」

そう言い、俺は奏音だった化け物を銃で仕留める。

グシャ……

「最後にしつもーん！吸血鬼のこと知ってるよね？答えろよ？」

「…………」

彼女は黙り続けたため埒が明かないと思い、俺は仕留めた。

バン…………。

煙の経っているのを眺めながらまた1から探し始めなきゃいけないなと考える。

ぴぴぴ……

本部からの電話だ
俺はすぐ電話を出る。

「はい……仕留め終わりました。ただ、吸血鬼の事は何も……。1からまたやり直しです。引き続き捜索します」

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side そらる

昨日はAが作ってくれたオムライスを食べて満足したが、やっぱり吸血鬼だ。
血を欲したくなる。

まぁ、朝からAのベッドに侵入中ですけどね。

よく見るとAの顔は可愛いし、ふわっと香る石鹸の匂い、それに年齢より少し幼い感じがさらに可愛い。
昨日無理に付けた俺の跡がくっきり見えて満足する。

反対にまた跡を付ける。

血は吸わない。
もう2度と同じ過ちを犯したくないしAを傷つけたくない。

「んっ…」

『んっ、そらるさん…？』

どうやらお姫様が目を覚ましたようだ。