吸血鬼と私【After the Rain】 (ページ31)

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28話ページ31

放課後、図書委員の仕事も終え、職員室へ鍵を返し終わった時、また彼女がいた。

「私は忠告をしたはずよ……彼らは危ないって…なんで言う事聞かないの！！」

先輩は、まふくんとそらるさんと一緒にいるのを好かないのだろう。

『なんで、まふくんとそらるさんが危ないんですか…？』

疑問になっていた質問を彼女に問いかける。

「それは……いえ、話した方がいいわよね、一方通行に離れてなんてダメよね。場所を移動しましょう？」

そう言って、先輩と空き教室へ移動した。

「えっと、私は星河奏音です。自己紹介まだだったわね」

私は先輩の名前に聞き覚えがあった。

『どっかで聞いた名前…。えっと、一ノ瀬Aです。』

「だって真冬くんが持ってた日記見てたじゃない」

『あーー！！？勝手にごめんなさい！！……ん？』

「いいの、だって、あれは……もう20年も前のものだもの」

あの時はまふくんと私しか屋上にいなかった。
何故先輩がその事をしているのだろうか。

「なんで知ってるのかって顔してるわね……私ね、もうしんでるの」

『えっ……』

いきなりそんな事言われても困る。
なに、私幽霊とお話してるのか？？

「気にしないで？……それよりさっそく本題に入るね。私は彼方さんにころされた。だから彼には気をつけて」

『……まふくんは……奏音さんがしんで悲しくならなかったんですか…。』

奏音さんはまふくんの彼女。
だから彼が悲しむはず。

「彼も血を流してる私をみて一緒の事をしていた…。結局、吸血鬼なんて…！！」

『奏音さん！！大丈夫ですから、きっと彼らは変わってますよ。確かに血を吸うことはしょっちゅうあります、だけど……そらるさん、さっきすごく悲しい顔してたんです。それに、まふくんなんてずっと日記を持ってたんですよ？だから……大丈夫ですよ。』

って奏音さんに笑顔を向ける。

「……後悔しても知らないわよ。それに見てたけど貴方、真冬くんと彼方さんに告白されてるじゃない？どっち選ぶの！？2人ともちょっと強引だけど顔はいいと思うのよね…」

なんて言って、奏音さんは私の返答を待っていた。

『あ、そう言えば、告白だったのか、あれ』

「え……」

奏音さんの方を向くと、なにそれありえないみたいな顔をされた。

「まぁ、いいや。私はちゃんと言ったからね！ばいばい」

と言って消えていった。

本当に幽霊だったんだと実感した時だった。

急に扉が開いた。

「あれ？Aちゃん？」

『……天月くん』