LOVE STORY ｡・:＋° CM's STORY 6

聞いてますか？ ページ48

夜の11時45分を回って。


よし、と気合を入れて…‪…


ケーキを箱から出して、火はとりあえず付けないで
数字のロウソクを刺した。

「30、かぁ。
私より少し先に三十路、だね。」


そして、ドンキで買ったパンダの被り物。


これ被って、インターフォンのモニターに映ったらビックリするだろうなって(笑)

ゾンビとか、ヒカキンとかマツコとか色々あったけど
可愛いからパンダにした。



装着ー！
ふふ、やばい(笑)これはびっくりするだろう……

自分が滑稽な姿なのは別にいい。

チャンミンくんに
「何やってるんですか、いい歳した女性が……」
とか？
何かつっこまれるかな？

呆れる？
笑ってくれる？


思い出になる、楽しい誕生日になればいいや。


それで……どうやって告白まで雰囲気を持っていこうかってことは考えてないけど←

私らしく、
思ってること全部伝えようと思う。

ここは、ノープランでいく！

計画立ててもきっと、テンパって忘れちゃうだろうし。





好きです、

って。

伝えられたらそれでいいんだ。




･




･





そっと玄関の扉をあけて
誰もいないことを確かめる。


この階には3部屋あるけど
2ヶ月前頃、端っこの人が引っ越したから

今は私とチャンミンくんのみしか住んでないし。

よかった……他の人に見られる心配ないもんね！





ドキドキしながら………


ふっ、て息を吸い込んで。



楽しみと緊張でそわそわする心臓を抑えて
インターフォンに指を伸ばした。






･



･



その時、
通路の端にあるエレベーターが開いたから

数秒、時間が止まってさ。




目を丸くしたチャンミンくんが
コンビニの袋をぶら下げて……立ってる。




(え、え？！あれ、チャンミンくん！！)




驚かせようと企んだのに


逆に驚かされるこの状況……



あわあわしてたら



チャンミンくんは
今にも吹き出しそうな顔して
こっちに歩いてくる。






(…………覚悟を、決めろ私！)








CM「…………っ、ふっ(笑)
そういえば、明日は僕の誕生日でした。」


ケータイの時計を見て、


CM「あと5分、ですね。
ちょっと早いですが……これは、お祝いってことでいいですか？」



(うんうん)



無言で、こくこくと頷く。



CM「喋らないんですか？パンダさん」



(しまった……何故か喋らないキャラになっちゃった)



CM「………僕は、あなたが好きです。
すごく好きですよ、パンダさんの中の人、聞いてますか？」




･

僕の気持ち *CM*→←パンダ *CM*

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