LOVE STORY ｡・:＋° CM's STORY 6

普通 ページ11

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私だけの感性で……


そう言われたけど、難しい。


以前の夏物のデザインやカタログを見返してみたけど。


どれも可愛いし……


やっぱり、ブランドの色がハッキリ出てる。

ディテールに拘ってる。

シンプルな中にも個性があって。


参考にしていると、
やっぱり偏るし、真似、みたいになる。


真似することは悪いことじゃないんだけど、
だって、このブランド、選んでくれるお客様が買ってくれる商品だから。


けどそこに、私だけの…っていう拘りを出せない。



うちの会社はアパレル業界の中でもトップクラスの規模だから

他のブランドのように老若男女問わずに着やすいものだって大切なんだけど。


私たちのブランドは、少し違うような気がする。


けど、これって
着る人を選んじゃうってことなのかなぁ。

ターゲットを絞ることって、
拘りと言えばそうなんだけど……

デザインする側と、利益を産む会社側

それが正解なのか分からないよね。


ジェジュンさんは、どう思ってるんだろう。


好きなものを自信持って生み出すのって

今の時代勇気がいることなんじゃないかなぁ。





私は……

自分の感性、センスに自信あるわけじゃないし。


だけど、
憧れだけは人一倍あって。

いつかブランドディレクターになって
私だけのオリジナルで勝負したいって思ってるのかな。


もちろん、理想はそうだけど……


だけどもっと、
洋服を買いに来て、自分に似合う服が分からなくて
サイズもなくて、

欲しいけど買えない、みたいな人たちに

手に取って喜んでもらいたいんだよな。


敷居が高い服じゃなくて、

ちょっとだけ、新しい自分になれるような服。

シーンに合わせて、気分を変えられるような服。


普通かなぁ……

シンプルすぎるかな。


うちから出す商品には、合わないのかも。





・





「ねぇ、チャンミンくん」


CM「はい？」



デスクにいたチャンミンくんに、
デザインを描いたスケッチブックを見せた。



「私のデザインて、なんか普通じゃない？」


CM「普通、ですか？普通ってなんですか？」


「いやー……なんていうか、描けば描くほど
平凡だなぁって思って。」



パラパラと、スケッチブックを捲るチャンミンくん。



CM「僕は正直、デザインの事は口を出せるほど知識とセンスがある訳ではないので。

出来上がったものの利益を出すのが専門ですから。

だけど……」

普通は悪いことじゃない？→←言えない *CM*

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