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住所もマンション名もわからん
やからこの前通った道を必死に思い出してタクシーの運転手に伝えてなんとか着いた
待って……ここで出てくれへんかったら部屋の前にすら行かれへんやんけ
かろうじて覚えとった部屋番号を押し呼び出しボタンを押す
”……お帰りください”
重「嫌です」
”開けません”
重「俺ここに居続けとったら不審者やって通報されてまうし撮られてもうたら大変やなぁ」
脅しみたいになってもうたけど仕方ない
ドアが開き中に入るとすぐエレベーターに乗り部屋へと向かう
重「よし……」
インターホンを鳴らしてしばらくするとドアが開いた
重「良かった……」
なんとか玄関まで入れてもらえたことにホッとした
Aさんの目を見ると真っ赤やった
重「めっちゃ泣いてるやん」
そう言うとまた涙が流れた
重「なんでそんな泣いとるんですか」
拒否られるかも、と思ったけど抱きしめられずにはいられなかった
重「収まりいいわぁ」
『なん、ですか…それっ』
重「サイズ感がちょうどええってことです」
受け入れてくれたことが嬉しかった
部屋の中に案内され、向かい合って座る
重「Aさんは俺のことまだ好きでいてくれてますか？」
『……はい』
重「ですよね！俺のことを想って泣いちゃうくらいですもんね！」
おちゃらけて返してみたら少しだけ笑ってくれた
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作者名：うー | 作成日時：2021年9月7日 21時
