年上彼女との日常4［赤］ (ページ14)

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支払いを済ませるとAさんはひたすら謝ったりお礼を言ったりしとった

いつもなら撮られる可能性も考えて同じタクシーになんか乗らへん

でも今日はまだ一緒におりたくて、電車で帰る言うたのを引き留め同じタクシーに乗って帰ることにした

『◯◯駅までお願いします』

Aさんは運転手にそう伝える

さっきまでの雰囲気とは変わってなんとなく気まずい空気が流れとるのは気のせいやろか

『なんか気まずいですね』

Aさんが窓の外を見ながら呟く

重「それ言うん？まぁ俺も思いましたけど」

酔ってるから

そう、いつもより酔うとるからやこれは

隣のAさんの手に自分の手を重ねる

『あ、すみません』

ただ単に手が当たっただけやと思われたのが嫌で今度は握ってみる

『雰囲気に流されちゃダメですよ』

それは俺に言うてるのか、Aさんが自分自身に言い聞かせとるのかは分からんかった

『そういう仕事をしている方はやっぱりこういうことに慣れてるんだな、と感じてます』

そう言って握った手を解かれる

『会うのは今日が最後です』

重「なんでですか？俺なんか気に触ることしました？」

『私と重岡さんとでは住む世界が違います』

重「同じです」

『あなたはアイドルなんですよね？そもそも異性と2人でこうやって外で会っていること自体いいのかどうなのか』

重「確かにアイドルです。でもその前に1人の人間ですから。好きな人と2人で会ったりしたいって思いますよ」

解かれた手をまた握る