理想の話４［赤］ (ページ39)

今日:10 hit、昨日:20 hit、合計:45,611 hit

188(重岡) ページ39

重「A？」

泣いてる

すぐに気付いた

重「今どこ？」

"…もうすぐ家かな"

重「行ってもいい？」

"ごめん。疲れてるから"

重「何かあった？」

"ううん。なんにもない"

重「俺には話せへん事？」

"違うよ。ほんとに何も"

重「何も無いのに泣いてるとか心配やから行くわ」

返事は聞かずに電話を切った

マンションに着く頃、ちょうどタクシーから降りるAがおった

重「A！」

振り向いたAの目は真っ赤やった

『中入ろ』

後ろをついて行く

何話そ

聞いたら話してくれるんかな

たぶん濵田さんのことやんな

そんなことを考えてるうちに部屋に着いた

『なにか飲む？』

重「大丈夫。ありがとう」

Aのことを抱きしめる

重「おかえり」

『ただいま』

いつもなら抱き締め返してくれるのに今日は腕が回されないことに不安になって力を入れた

『…っ』

また泣き始めた

どうしたん？って聞いたらあかん気がする

なんか…こわい

重「風呂いってくる？俺待ってるから」

Aは頷いて離れた