もしもの日常(虹)3 (ページ45)

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『しげおらんかったしな、淳太くんに運んでもらおかなぁって』

中「ほらはよ連れてって」

Aを引き剥がしてしげに差し出す

『抱っこ』

重「おんぶな」

するんかい

『あー眠なってきたなぁ』

重「寝るなら車ん中にしてや」

中「あ、寝た」

重「やんな？脱力したのわかったわ」

Aは目を閉じて完全に寝てもうた

重「飲みすぎや」

中「楽しそうやったしええんちゃう」

さっきスタッフにも抱っこなんて言うてたことは口が裂けても言われへんな

『しげ？』

重「起きたんか」

Aがぎゅっと抱きついて首元に顔を埋めてすぐ、しげが顔を赤くしてはにかみながらあほかなんて呟いた

中「なにイチャついとんねん」

重「羨ましいんか」

中「微笑ましくはあるけどな」

『淳太くん』

中「ん？」

『私の大毅やから取ったらあかんよ？』

おっと…

特大のデレやん

シラフじゃ聞けへんやつ

重「ニヤケんな！」

中「痛ぁっ！ニヤケてんのはお前の方やろ！」

照れ隠しなのか背中を叩かれて

逃げるようにしてAをおぶったまま歩くスピードを早めた

しげにはAがおって良かったし

Aにはしげがおって良かったし

こういうのが運命の出会いなんて言うんかな