もしもの日常(虹)3 (ページ36)

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広い世界でページ36

どこからか唸り声が聞こえてきて

その声がする方を見たらAが寝とった

みんな起こした方がええんかなって様子を伺う中しげがすぐに立ち上がって身体を揺さぶった

重「A」

そう名前を呼んで少しするとゆっくりと目が開いた

『……しげ？』

重「大丈夫か？」

そう声をかけてすぐにしげにしがみつくようにして抱きついた

重「どうしたん。めっちゃうなされとったで」

『あー…なんの夢やったかなぁ』

重「思い出さなくてもええよ」

背中をさすって落ち着かせるのを見届けてスマホに視線を戻した

そういえば前もあったなぁ

その時もしげがおって1番に駆け寄ってた

「ねぇ神ちゃん、なんか甘い物持ってへん？」

神「ん、あるで。何がいい？」

いつの間にかそばに来ていたAにお菓子の袋を差し出す

どれがええかなぁって口に出しながら選ぶ姿は子供みたいで可愛らしい

『これにする。いただきます』

神「大丈夫？」

『うん。ありがと』

隣に座って封を開け始める

しげんとこ行かへんのかなって思ったら撮影の順番が来ていたらしく楽屋におらんかった

『一人ぼっちやってん』

ぽつり、とAが呟いた

これはたぶん見た夢の話