もしもの日常(虹)3 (ページ34)

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『しげ？』

いつの間にか眠ってしまってたらしく

可愛らしいその声で目が覚めた

重「ん…寝てもうてたわ」

『寝にきたんちゃうん？』

重「そうやけど」

ぐっと伸びをすると笑われた

『寝癖ついてる』

重「え、どこ？」

ここ、と触れられたのは後頭部で

メイクさんに怒られんで？なんて笑うAの唇にキスをした

『不意打ち』

重「あかんかった？」

『あかんなぁ』

重「なんでよ」

『かっこよすぎて緊張するから』

ほなもっと緊張させたろやないか

Aの後頭部に手を当てて引き寄せるとタイミング悪くスマホのアラームが鳴った

『時間やな』

思わず出たため息にAがまた笑う

『はよ戻ろ。その寝癖も直さなあかんし』

重「せやな。行くかぁ」

『あ、ちょっと待って』

車のドアに手をかけようとすると静止されてうしろから抱きつかれた

『5秒な、5秒』

そう言うて数え始めた

『よし大丈夫。元気出た』

重「そんな可愛いいことどこで覚えたん」

『本能？』

重「恐ろしいな」

『嫌やった？』

重「全然。むしろ俺が5秒じゃ足りひん」

振り返ってAにキスをする

驚いて目を丸くしてるAを見て思わず笑ってもうた

『ずるいなぁ』

重「Aもな」

『でもおかげで頑張れるわ』

重「盛り上げような」

『うん』