もしもの日常(虹)3 (ページ26)

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『じゃぁん、Aちゃん参上パート2』

重「なんなんそれ」

『なんやろなぁ』

えへへって言いながら抱きつかれる

さっきとは打って変わっていい匂いがする

俺と同じ物使って俺の服着てるのに

『もう寝る？』

重「そうやなぁ」

『あと少し起きてて』

ぎゅぅ、と力が入った

重「向こう行く？」

『行く』

重「じゃあ離れよか」

『眠たい』

起きててって言うてたのに眠たいんかい

ゆっくりと手を引いて歩く

これはもしかしたらそのまま寝てまうやつかもな

ベッドに横になるとAはすぐ布団の中に潜った

仕方ないかぁ

重「おやすみ」

『寝るん？』

重「眠いんやろ？」

『ん』

重「なら寝とき」

頭を撫でて隣に寝転ぶと目が合った

『私いまめっちゃ幸せやなぁって思ってる』

重「俺のおかげ？」

『ん、そう。男運無いなぁってな、思っててん。でもしげは私の王子様やったんやなぁ。しげと、付き合うために、これまでのな、男がな、あかん人ばっかりやった…のかも、しれへんなぁ』

ウトウトとしながらも伝えられた想いに答える前に瞼がゆっくりと閉じられた

俺も幸せやで

完全に眠ってしまったAの耳元で囁く

寄せた唇を離して顔を見ると口角が少しだけ上がった気がした

もっともっとそう思えてもらうようにするから

そう心の中で誓って目を閉じた