もしもの日常(虹) (ページ14)

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むかしのはなしページ14

同期で同い年で同郷で

そういうのもあってかAは俺にいろいろ相談してくれるようになった

メンバーの中でも俺にしか言うてないこともあるみたいやし

家にもちょくちょく来るし逆に行ったりもした

デビューして少し経った頃、楽しいことよりも苦しいことの方が多かった時期にAが初めて俺の前で泣いた

その理由があまりにも理不尽でめちゃくちゃ腹が立った

重「ここで辞めたらそいつらの思うツボやで。そんなん悔しいやん。腹立つやん。そんな後味の悪いことある？」

『嫌や。負けたくない…』

重「やろ？俺もそばにおるから、な？」

正面から肩に手を置いて真っ直ぐ目を見つめる

Aの目は真っ赤で涙がずっと流れている

ボロボロになったAを見て心が傷んだ

このまま活動を続けるのが果たして善なのか

ここまで苦しんでるのに逃げるななんてかなり酷なことを言ってしまったんじゃないか

『いつも甘えててごめんな？』

重「どこが？全然甘えてへんやん」

『しげなら私の事肯定してくれるって思って弱音吐いてるんよ。それは十分甘えやし、愚痴を言う人を選んでんねん。最低やろ？』

そんなん当たり前のことやろ

俺だってそうやもん