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第五話《銀時side》 ページ6

新八が慌ててこっちに向かってくるから何だと
思えば、「Aさんが来ましたよ!」って…
なんだそりゃ。









Aは俺の双子の姉で、寺子屋時代では唯一の肉親として、色々世話してくれた。
最近じゃ、ほんの数分先に生まれただけなのに、
姉貴面してくるから、苛ついているが。









「俺出るの面倒だから、悪ィけど上がってもらえ」









そう答えると、新八は苦笑しながらも頷き、
「Aさ〜ん」と玄関に戻っていく。
ったく、面倒だな。
短くため息をつき、俺は再びジャンプに視線を戻した。









暫くジャンプに読み入っていると、耳元で馬鹿でかい声が響いた。









「ぎーんときー!最愛のお姉さんが会いに来ましたよー!」









「うおっ…!?…んだよ、Aか。ビックリさせんな、おい」









思わず声を上げてしまったが、驚いたのを悟られないように、出来るだけポーカーフェイスに戻して
言う。
お前もう三十路手前だろうが。子供かよ。
俺も人のこと言えねえけど!









その後、色々とAと会話したが、やっぱり
変わってなかった。
最後に会ったのがそんな前という訳でもないが、
彼女の仕事柄、あまり会う訳でもない。
多串君や総一郎君のように見回りに来ることも無いし、表に出る事もない職業らしいから、そりゃ
会うこともないわな。









会話がひと段落したところで、玄関の方から
神楽の声が聞こえて来た。









「銀ちゃーん、新八ィ、ただいまヨ〜」









確か定春の散歩に出掛けてたんだったな。
そういえば、神楽はAによく懐いていたような…
面倒な事になりそうだ。









酢昆布を堪能しつつ中に入って来た神楽は、
目を丸くした。









「ふう、定春の散歩は疲れるネ…ん?A…アルカ…?」









神楽は数秒フリーズした後、勢いよくAに抱きついた。
実の姉弟はAと俺だが、Aと神楽が本当の
姉妹と言われても違和感がないくらい仲が良い。
その光景を見ていた新八が言う。









「神楽ちゃん、まるで本当のお姉さんみたいに思ってるみたいですね、Aさんの事。
_良いんですか、銀さん?」









「何の事だか。仲が良いのは良い事なんじゃねえの?神楽の世話も大変だからよ」









俺は新八にもA達にも視線を送らず、ただ一人でジャンプのページを繰るだけだった。
これさ、多串君オチなんだよね。
心配になって来たよ、銀さんは。

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作者名:蒼桜 | 作成日時:2018年11月30日 19時

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