小さな恋のものがたり4 (ページ30)

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131 Tside 文句言う男ページ30

せっかくAといい感じだったのに
携帯が鳴った……

誰だよ、こんな時に。

″高田菜々美″

迷ったけど出ないと変に思われるし…

寝室に入り菜々ちゃんからの着信を取った。

「…もしもし、、、どうしたのこんな時間に…」

高『ごめんなさい、早めに聞きたい事があって。

明日なんですけど、仕事終わってお時間あります？』

「明日？どうして？」

高『お疲れ様会あるじゃないですか。それで私が幹事になったんですけど、お店の下見と予約するんです。
……でも1人じゃ決められなくて、裕太さんに付き合ってもらえないかと、、、
…ダメですか？』

そういう事ね……1人じゃ大変だしな。

「そういうことなら、、いいけど…」

高『よかった。これで北山さんに怒られなくてすみます。』

「んははっ…、怒られちゃうわけ？」

あの人、飲み会とかうるさそうだしね。

高『裕太さんは何か嫌いな食べ物とかあります？』

「俺？特にないよ。」

高『辛い物とか平気ですか？」

「うん、全然平気だけど。」

高『本当ですか、後から文句言わないで下さいね。』

「本当だって。そんなんで文句言う男じゃねぇーし。」

幹事も大変だよな。みんなの意見も入れつつ
いいとこ探さなきゃいけないし。

高『でもなぁー、和食も捨てがたいんですよね。

裕太さんは和食は好きですか？』

「和食？好きだよ……すっごい好き。」

高『………／／もう１度、そのフレーズ言ってほしいな。』

フレーズ？

″好きだよ……すっごい好き″

、、、言えません。

「……じゃあ、話はもういいかな？遅いしそろそろ切るね。おやすみ。」

高『…はい。おやすみなさい。』

寝室を出るとAが立っていた。

誰からだった？って聞かれて、とっさに北山さんと答えてしまった。

嘘をつく必要ないのに…

会話の内容は同じなのに、かかってきた相手を菜々ちゃんって言えない俺は…やっぱり意識してるからなのか？

明日も北山さんとご飯なんて……

いつからこんな嘘つきになったんだろう。