小さな恋のものがたり4 (ページ29)

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130 誰？ページ29

――Aside――

″藤ヶ谷さんも一緒″だから……

菜々さんとも一緒なんだ。
この出張で何かあるわけじゃないのはわかってるんだけど、やっぱり心配だよ…

電話してもいい？なんて、いつもなら言わないのに
私の胸がザワついてる………

「お土産買ってくるね。」

多分裕太は、私の不安をわかってる。

だからちゃんと話してくれてるんだし、引っ越しのことだってそう。不安を取り除いてくれようとしているんだ…

ゆらゆらと揺れているのは私の心。

裕太の全てを信じてあげられていないんだ…

みっくんにまで相談して、私は最低なの。

『…お土産楽しみにしてるね。』

嘘……、全然楽しみなんてしてない。
出張なのに、仕事なのに、行ってほしくないって思ってるの。

…prrr…prrr……prrr………

こんな時間に誰？

裕太の携帯が鳴って、なんとなく菜々さんじゃないかなって思った。

『…裕太、携帯…。』

「…あっ、、うん…」

私に向けられていた瞳が、ゆっくり反らされた。

携帯を取りわざわざ寝室に入る。

私に聞かれたくない話なの？

寝室の方に耳を澄ませた…

「＿＿＿＿明日？＿＿＿＿いいけど…＿＿

＿＿＿んはは…＿＿＿＿＿」

よくは聞こえなくて、でもどこか楽しそうに話してるのが苦しい…

「＿＿＿＿＿俺？＿＿＿＿＿うん＿＿＿

＿＿＿＿本当だって＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿好きだよ＿＿＿＿…… 」

″好きだよ″……好きって言った？

『………………』

どういう意味なの？
……菜々さんのこと、好きってこと？

全部の会話は聞こえなかった。途切れ途切れだったけど……

ガチャっとドアが開き

「…んっ？どうしたA？」

平然とする裕太に不安を覚えた。

『…誰からだったの？』

「…………あぁ、北山さん、、」

みっくん？……絶対みっくんじゃないよね？

どうして嘘つくの？みっくんにあんな話し方しないじゃない……

私に言えない相手ってことでしょ？

菜々さん…なんでしょ？

『…北山さん何の用事だったの？』

「えっ…？えっと、、プロジェクトが終わったら
お疲れ様会するから…嫌いな物ない？って聞かれた。」

それで、、、好きだよって会話になる？

ならないよ……

「それと明日なんだけど、北山さんとご飯食べてくるから。帰りは遅くなるね。」

これも……嘘なの？